「連敗こそとまったものの、後半戦、上位３チームとの対戦で１勝８敗！ 自力優勝消滅！」
結乃が事実を大きな声で言う。
「一気に離されちゃったね」
理衣が肩を落として言う。
前半戦は上位４チームが団子状態だった。
そこから一気に転がり落ちて行った。
「まーとにかく、チームとしての強さがないのがわかったわよね」
「前半戦は頑張っていたんだけどね」
「勝負は８月、９月ってのがわかってて、そこで他球団とこれだけの差が出ているんだから」
「うーん、苦しいです」
夏場で投手陣に疲れが出て打線が活気づかなければならないはず。
しかし、自慢のはずの打撃陣はさっぱり点が取れず、投手陣は壊滅状態。
ＪＢが上がってきたとはいえ、まだまだ焼け石に水状態。
「何せこの６連戦だけみても先発が壊滅、ＱＳ達成は東だけでしょ」
「そうなると中継ぎ陣も苦しいよね」
「その中継ぎ陣も経験不足の選手ばかりで不安定、前半は頑張ったけれどね」
「一年を通しの経験がない中、この暑い夏はキツイよね」
そして打線は一気に湿った。
オースティンがいなくなって１点をとることすらままならなくなり。
チャンスがあっても、バッターボックスからはどうしたいのか意図がみえず。
「明らかに分かるのは、宮崎が進塁打を打とうとわざと右打ちしているのとかは分かるけどね」
「あれは技術だね」
「それ以外は結局、ただ打席で振っているだけ、にしか見えないのよね」
「林選手のセーフティスクイズとかはあったけれどね」
スタメン、打順についても、阪神３戦目の６番度会は完全に裏目に出ている。
オースティン、宮崎の４番、５番であれば、ランナーありで６番に回ってくる可能性も高い。
そこでルーキーの度会はどうなのか。
出すなら８番あたりで楽に打たせたいと思うが。
「あとは松尾の起用よね。ほぼ代打のみなら二軍でマスク被らせて欲しいわ」
「なんのために一軍にあげたんだろうね」
「もちろん打撃に期待してってのと、一軍の空気を、ってのはあるんでしょうけれど、今の出場の仕方って意味あるの？」
「なんか勿体ない気がするよね・・・」
高卒選手を中途半端に一軍に長期帯同させ、試合に出る機会もたいしてなく、大きな成長もせず時間だけが過ぎる。
何人かそういう選手を見てきた気がするのだが・・・
「チームとして諦める姿は見せないでしょうけれど、上位３チームが団子なだけに１チームだけ落ちて来るとか思えないからね」
「そうなるとＣＳも厳しくなっちゃう」
「どこかが横浜と同じように急速にチーム状態悪くなって落ちてこない限り、正直厳しいゲーム差になったわね」
「う、うーん」
本来的にはもう若手主体に切り替えて見たい気持ちはあるが。
そうもいかないのが首脳陣。
でも今のチーム状況で浮上する感じも見えないし、さてさて？
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