「さあ、勝負の7連戦ね」
結乃が厳しい表情で腕組みをしながら言う。
「ここから先はどの試合も重要だけど、一番下にいるからこそ本当にもう落とせないね」
理衣も気合を入れて言う。
首の皮一枚残した首位との4.5ゲーム差。
優勝を目指すなら、巨人、広島、阪神の上位3チームが潰し合って残り試合で勝率5割前後の成績、勝つDeNAが大幅勝ち越し。
これしかないわけで、全く余裕がない。
この7連戦、ノルマとしては6勝1敗(最悪でも5勝2敗)が求められるはず。
上位3チームの成績次第ではあるが・・・
「まずは3位、阪神との3連戦!」
「ここ本当に重要!」
「同日に巨人-広島3連戦だからね。優勝目指す場合、広島が2勝1敗で、横浜が3連勝しないとキツいわね」
「1位、2位の対戦だから、どっちかが3連敗して落ちても、そうするとどっちかが3連勝しちゃうからね・・・」
となると2位の広島が勝ちこすのが望ましい。
そこで横浜が3連勝すれば、3位となって首位と2.5ゲーム差に縮まるわけである。
「ここで2勝1敗だと、優勝可能性がなくなるわけじゃないけれど、現実的にはCS狙いになっちゃう感じよね」
「広島さんが2勝1敗なら、首位と3.5ゲーム差に縮まりはするけれどね」
「まー、最悪そこまでならまだ可能性はあるけれど、他カードの結果は見守るしかないからね」
「となるとやはり、自分たちで勝つしかありません!」
先発としても、現在で頼りになる3本がいくわけで、ここで3連勝しないと後がキツイ。
9/10(火) 阪神戦 東-青柳
9/11(水) 阪神戦 ジャクソン-高橋
9/12(木) 阪神戦 ケイ-村上
「こうかしらね?」
「初戦に苦手の青柳投手だね」
「今季は1勝しかしていないとはいえ、昨年の日本シリーズでも好投したし、ここぞで好投するかもしれないからね」
「東投手に抑えてもらうしかないね」
そして関根が抹消された。
青柳対策で神里をあげてくるのか、あるいは代打要員で度会をあげるのか。
「まあ、チームとしては先を見ても仕方ないので、目の前の試合を全部勝つ気でいかないとどうしようもないのよね」
「本当、他のチームより1つの敗戦のダメージが大きいからね」
「阪神も横浜との連敗のあとは調子あげてきているし、森下とか怖いしね」
「甲子園だし、やっぱり東投手の出来次第だね」
QSでは足りない。
完封するくらいの気持ちで、でも中5日で次の広島戦に投げるだろうから、球数も考慮しないといけない。
求めるものは大きいが、エースであり、東なら出来ると信じているからこそ期待したい。
「それでも、この時期にこういう試合ができることを喜ばないと!」
「そうだね、そのうえで勝ちましょう!」
他の球団と比べて優勝争いの経験は圧倒的に劣る(というか、2位になった年も本当の意味の優勝争いはしてない)
守備も細かい野球も今さら向上できるはずもなく。
先発は計算できるのは3枚だけであとはコマ不足、中継ぎ陣もかつての勝ちパは崩壊し状況をみての継ぎ接ぎ継投。
ストロングポイントの打線で相手を破壊していくしかない。
それでも信じて。
さあ、いきましょう!