「想定通り雨天中止だったわね」
結乃が冷静に言う。
「まあ、この雨じゃあね」
理衣も頷く。
6戦予定の11/2は雨天中止となり、6戦は11/3に順延。
「そして先発は大貫-有原がそのままスライド!」
「素直にいったね」
「東は足の肉離れだったしね、この前投げたとはいえ中4日ではさすがに投げさせなかったわね」
「まだ来年以降もあるしね」
大貫に託すことになる。
第二戦では打ち込まれたが、雨の影響もあった。
今回は雨もあがって天気は良くなる予報。
万全の状態で今一度、挑んで欲しい。
「良い時の大貫ならそんなに大量失点はしないはずだしね」
「それに中継ぎもフルで待機するだろうから、序盤からとばしていけるしね」
「無理に力まず、どんどん攻めて、引くところは引いて、クレバーな投球をしてほしいわね」
「コントロールと様々な変化球をキレよく投げ込むのが大貫投手だもんね」
CSファイナルでは好投した。
あの時のように。
「コントロールミス、配球ミスをしないように」
「そこをとらえてくるのがソフトバンク」
「第二戦がまさにそうだったしね」
雨天中止となり、これでシーズンと同じ中6日での登板となる。
また一日順延したことでオースティンの怪我の状態がどこまで回復したか。
スタメンで出場できるのか。
ソフトバンクも近藤の足の状態がどうなり、スタメンで守備につけるのか。
連勝、連敗の流れがどうなるのか。
「すべては試合をすればわかることよ!」
「うう、ドキドキします!」
1998年に日本一になったときも、3勝2敗で迎えた横浜スタジアムでの第6戦。
先発したのは背番号16の川村。
相手先発は西武のエース西口。
当時、常勝ライオンズでパリーグに君臨していた相手である。
「さあ、ここで決めるわよ!」
「常に目の前の試合に全力で勝ちにいって、その結果です!」
ソフトバンクも開き直り、捨て身でやってくるだろう。
それを上回らない限り勝利はない。
全身全霊をかけて挑みましょう!