「さて、日本一から一夜明けて、さっそくオフ関係の話がゾクゾクと出たわね」
結乃が頷きながら言う。
「日本シリーズ期間中は発表できなかったことだね」
理衣も神妙な顔をして言う。
まずはコーチ関連。
石井が二軍の育成の方に回る。
外部から村田、河田、上田を招聘。
二軍監督に桑原。
一軍からは小池が退団。
「いやー、なかなか思い切ったことやるわね」
「ちょっとびっくりなところもあるよね」
まずは二軍監督にプロでほぼ実績のない桑原義行を抜擢。
「フェニックスで指揮を執っているけれど、そのまま着任するんだってね」
「これはどうなるか見モノでもあるね」
「プロの成績が指導者に直結するわけじゃないとはいえ、ね」
「まだ42歳の若さでもあるしね」
指導者としての適性をみたということだろうか。
そして石井が一軍から二軍へと移動。
「これはまあ、二軍の若手野手の育成のためと考えると納得はいくわよね」
「似合っています!」
「もしかしたその後の一軍監督を見据えてってのもあるかもだし」
「どうなるんだろうね」
三浦も今年日本一になったとはいえ3位。25年、リーグ優勝ができなければ交代も十分に考えられる。
まあ、石井の場合は監督よりコーチで選手を導く立場の方があっていそうだというのはあるが。
「そして一軍打撃には村田がつくのかしら?」
「一軍か二軍か、いずれにせよ打撃コーチだよね」
村田に関しては現役時代にちょっとあったとはいえ、内川よりは拒否反応は少ないはず。
またロッテ等での打撃コーチで実績も積んできた。
「更に外野守備で河田がコーチで入るのは大きいわね!」
「外野守備コーチの強化だね!」
前々から外野守備コーチの弱さが問題だった。
二軍では監督の青山が兼務するくらい、人材も不足していた。
ここで本気の強化を見せてくれるのはありがたい。
「また外国人選手でTAがオプション行使で来季も契約、ジャクソン、ケイ、ウィックも残留濃厚でJBとフォードは微妙、と」
「うーん、こればかりは契約だからなんとも言い難いね」
首位打者をとり、主砲として欠かせないオースティンは当然として(怪我さえなければ)
活躍したジャクソン、ケイ、ウィックも当然。
怪我で微妙な成績に終わったJB、オースティンと守備位置が丸かぶりで出番がないフォードが微妙なのも理解できる。
「フォードは良いけれど、TAがいる限り出場できず代打だけになっちゃうからね」
「でも、これで他球団にいっちゃうと大変だね」
「でも飼い殺し分かっていて残しておくのも本人のためにならないしね」
2024年はシーズン途中からで、シーズン終了までのオースティンのバックアップという明確な役割だった。
しかし一年のシーズンを通してその立場というのも、本人としてなかなか了承しづらいだろう。
「いずれにしても来季に向けて更なる動きはあるでしょうね。補強のためには次の戦力外もまだ2~3人あってもおかしくないし」
「うう、聞きたくないかもだけど」
さて、オフはオフで楽しみですね。