「宮崎が大丈夫そうな感じね」
結乃がほっと息を吐いて言う。
「良かったです！でも、無理はしないで！」
理衣が両手を組んで言う。
足を攣ったということであれば、その攣りさえ解消されれば出場は出来るだろう。
しかしスイングして攣ったのは、シーズンの疲労がたまっているせいでもあるからであろう。
そういう意味で、安堵ばかりはしていられない。
「それでも宮崎がいるといないじゃ大違いだからね」
「何せ５番打者だしね」
「ただ５番ってだけじゃなく、宮崎がいるからオースティンと勝負しないといけない状況に持っていけるのがあるからね」
「オースティン選手を歩かせても宮崎選手がいるんじゃね」
そして先発は想定通り、ケイと戸郷。
戸郷からはそう簡単には点が取れない。
一方でケイは巨人戦では結果を残せていない。
苦しい戦いが予想される。
「でも短期決戦だからね、この試合で好投してくれれば良いのよ！」
「ケイ投手も、シーズン中に何度も好投しているしね」
「味方のミスとかそういうのにイラついてとかもあったしね」
「冷静に投げて欲しいね」
球威はある。
あとは苛々して自滅するようなことさえなければ、巨人も決して打撃のチームというわけではない。
「吉川が怪我して出場しないかもだから、そこは一つあるわよね」
「相手選手の怪我を喜ぶのはあれだけどね」
「こっちも東、山本がいないしね」
「なんとか先制点が欲しいです！」
阪神戦で打撃好調とはいえ、巨人の投手陣は強い。
やはり立ち上がりを攻めて、泥臭くても点を取りたいところだが。
「やっぱり左打者よね。梶原、佐野が出塁して後ろに回せるか」
「右打者は戸郷投手だと厳しいところあるけれど、頑張って欲しいね」
「森も、ここでまた打てたら凄いわよ」
「守備でも期待です！」
投手力も守備力も巨人の方が１枚も２枚も上手。
横浜としては、そんな守備力も関係ないよう野手の頭をこえる打球で粉砕するしかない。
「さ、いくわよ！」
「全力応援です！」
久しぶりのファイナルですね！
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