主役たちの復活待ち。今永一軍帯同?
「試合がないと暇だわ!」
腕組みで仁王立ちしている結乃。
「学校の勉強とかしたら?」
「あのねえ理衣ちゃん、ペナントレース中に学校の勉強だの仕事だのに集中できるわけないでしょ!」
「いや、それじゃ一年の半分は集中してないけど?」
呆れ気味に突っ込む理衣。それは集中できない人の言い訳だろう。
「まあねー、実際の所、かつては5、6月くらいにはむしろペナントレースなんて興味失う感じだったしね」
「それって・・・・」
「勉強や仕事に集中できなかったのなんて、98年の8月から10月にかけてくらいの時期だけだったわね」
あの時は本当、色々と手に付かなくて、速報を見ては胃を痛める日々だった。
優勝争いというものがこんなにも辛くて、精神をすりつぶすような日々で、そして楽しいということを始めて知った時。
「果たして今年、そんな気持ちを味わえるのか。それはやっぱり、チームの主役たちにかかっているわけよ」
「というと、やっぱり筒香選手?」
「野手ではそうよね。ロペスが好調、プーさんもまずまずの中、筒香が完全にぶった切っているもんね」
「良いところで打っていたりもするんだけどね」
「それ以上に、負けてが続いている試合では打てなさすぎというか、打てないにしても酷い内容だから」
以外にも打点は稼いでいるが、やはり物足りないというか、歯痒い。
「そして今永、ウィーランド、濱口! この三人がきっちり戻ってきてもらわないと」
「戻ってきた途端にチームが負け始めるという状態だったものね」
「とはいえ、飯塚、京山でシーズン乗り切れる可能性は低いからね」
実績がないというのもあるし、彼らがシーズン乗り切れる体力があるかどうか、という点もある。
だがそれ以上に確実なのは、彼らはまだ5~6回くらいしか投げられないということだ。
中継ぎ陣の疲弊を呼び込むようでは、チーム全体でプラスにならない。
それが谷間の投手の一人くらいならまだしも、2,3人がそれではたまったものではないだろう。
「登録抹消された今永投手を一軍帯同させるんだって。どういうことなのかな?」
「うーん、本人の気持ちのため、とかかしら? 正直分からないわね」
「一軍の首脳陣が自分たちの目で見ておきたい、とか?」
「これがきっかけになると良いんだけどね。オールスター明けからだと正直、辛いわよね。三人一斉じゃなくても、交流戦くらいには戻って来てくれないと。特にパリーグに強い濱口には」
どうにかこうにか5割でここまできたベイスターズ。
主役たちが戻ってくるまで5割はキープしておきたい。
「週末のガールズフェスティバル、若くて可愛いあたしたちでパワー充電してあげましょう」
「自分で言っちゃう?」
「言ったもの勝ちよ! ちなみに今年はリラックマ来ないの!? イベントの意味ないじゃん!」
「いやいや・・・・」