2018年6月9日（土） vs 日本ハムファイターズ
結果：横浜４－３日ハム
敢闘選手賞：神里
「連勝でＪＵＭＰよ！」
「Ｔシャツも貰って、試合にも勝って、良かったね！！」
試合終了後の”victory celebration”を観終え、球場を後にしながら結乃と理衣は笑顔で帰途につく。
５連敗したときはどうなるかという雰囲気であったが、これで４勝５敗、３勝しか出来ずに終了した悪夢の交流戦の再来などにはならなかった。
「Ｔシャツは中継ぎ３人衆！ 本当は助っ人３人衆を狙っていたんだけど！」
「まあ、狙って取れるものじゃないけどね」
「なんといっても、今日は神里よね。今日ばかりはこの結乃さんも文句はないわ」
「打って、走って、凄かったね！」
スタジアムのゲートを出て、帰宅する人達の波に揉まれながらも、お喋りの勢いは止まらない。
周囲を歩く人にも笑顔が多く、試合に勝った後の雰囲気が感じられて心地よい。
「４打数４安打、決勝二塁打！ おまけにイケメン！」
「勝ち越しタイムリーはもちろんだけど、あたしとしては３点目となった走塁とスライディングよね。内野ゴロで二塁手がボールを取りそこなったとはいえ、一気に二塁からホームまで帰ってくるとはね」
「盗塁も決めたし、足が速いと格好良いよね！」
「あとはもうちょっと守備が上手くなれば良いんだけどね！」
外野守備ではやはり桑原の方が今のところずっと上である。ここは練習を重ねて上達して欲しい。
「打線でいうと、神里選手以外はあまり目立たなかった？」
「そうねえ、大和が２度の出塁で両方とも得点してチャンスメーカーになっていたわね」
「気迫のヘッドスライディングもあったね」
「大和はなんだかんだ守備が上手だから、なんとか二割五分、あるいは良いところで打ってくれればね」
「最終打席も良い当たりだったし、少し休んで調子も良くなったかな？」
「それなら良いけど。あとはソトもタイムリー一本。最初の頃の爆発はなくても、失投を逃さず１試合１本を目指して欲しいわね。あとは外の逃げる球をいかに見切れるか、ね」
関内駅へと向かう信号を渡る。
夕方になってもまだまだ暑くてむしむしとするが、試合に勝ったから笑っていられる。
これが試合に負けた後だと、不快なだけである。
「濱口投手、残念だったね」
「５回のピンチを切り抜けたのは良かったんだけどね。気が抜けたわけではないだろうけれど、２者連続ＨＲはいただけないし、養護できないわね。追い込んでもいたし」
またしても勝ち投手となれなかった濱口だが、やはり６回は投げ切って欲しかった。
「まあそれでも、ランナー出した時は粘っていたし、次回に期待はしてあげましょう」
「嫌な雰囲気になったけれど、次に出た三嶋投手がビシッと抑えてくれたね」
「西武戦では打たれたけれど、今日は良かった。あそこをきっちり締めたのは大きかったわ」
「エスコバー投手、パットン投手も、先頭打者を出したけど、後ろをちゃんと抑えたし」
「先頭を出さないのが一番だけど、出してもホームに返さない、それでよし、よ。矢野が出た時は嫌なことを思い出したけど」
過去、何度となく痛い目に遭った矢野。今回はリベンジ成功であった。
「せっかくスタメンで出た山下がチャンスを活かせないとか、まだ課題はあるけれどね」
「二塁はチャンスなんだけどね」
「あたし的にはなんとか、暗黒時代を生き抜いてきた石川にもう一度頑張ってほしいんだけどね」
昔からのファンは皆、そう思っているはず（？）
駅のホームに到着すると、貨物列車がゆっくりと通過していくところ。電車も好きな結乃は、これはラッキー、勝ったうえにこんなのが見られるなんてと喜ぶ。
「でもちょっと残念なのは、他のセリーグの球団も勝っていることだね。ゲーム差が変わらないものね」
「何言っているのよ理衣ちゃん。前にも言っているけれど、あたしはセリーグが馬鹿にされるのは嫌なのよ！ パリーグに勝ち越し、その中でも横浜が上位にいく、それをこそ熱望するわ！」
「三戦目は今永だけど、雨天中止が濃厚ね。さすが今永」
「月曜の予備日も雨の確率が高いし、大変だね･･･下手したらダブルヘッダー、なんて話もあるしね」
「無理しても仕方ないけど、中止だともう一枚、ジャンプＴシャツが貰えないじゃない！」
憤慨しつつ電車に乗る。冷房の効いた車内が快適だ。
「････しかし、暑かったわねー。６月でこれじゃ、７月のデーゲームがどうなることやら！」
猛暑、地獄の横浜スタジアム。
それでもファンは熱心に通い続ける。
だからこそ、余計に熱く感じられるのかもしれない。
「熱いとミカン氷もよく売れるよね」
「ほんと、あんなのぼっ○くりとしか思えないのにね」
「ちょ、ちょっと結乃！？」
問題発言をした結乃を乗せ、京浜東北線は関内を出発していくのであった。
応援クリックしていただけると幸いです。
