2018年振り返り #46 もっとオラついてみせて! 田中 健二朗
「健二朗さん、どうしたんだろうね」
2018年の成績を見て、理衣がしょげる。
「うーん、やっぱり中継ぎとしての疲労蓄積なのかしらねぇ」
結乃の首をかしげている。
多くのファンも残念な結果になってしまった、2018年のシーズンであった。
#46 田中 健二朗
当番試合 : 11
投球回数 : 12 1/3
防御率 :6.57
勝利 : 1
敗北 : 1
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 14
「うーん、寂し過ぎる結果よね」
「そうだね・・・・」
2016、2017年と2年連続で60試合登板を続けたが、2018年はわずか11試合の登板に終わってしまった。
2015年から活躍し始め、2017年も防御率は悪かったが色々な場面で投げてくれた。
「左腕は砂田とエスコバーがいたとはいえ、もっと投げてもおかしくないんだけど」
「ただ、結果も出なかったよね」
登板した試合でも、らしくない投球で失点を重ねたりもした。
「何かしら。やっぱり、ストレートかしらねぇ」
「というと?」
「健二朗はカーブが得意球だけど、変化球を活かすにはやっぱりストレートが基本。そのストレートのキレがイマイチだったような気はするわ」
「確かに、コントロールもイマイチだった気もするし」
「勤続疲労、かしらねぇ」
重くなる空気。
「なんとか、また輝きを取り戻してほしいね」
「中継ぎ左腕はいくらいても困らないしね。実際、砂田とエスコバーしか一軍で通用しているのいないし」
福地、野川は戦力外となり、櫻井はまだ育成段階。
「中継ぎって過酷だね・・・・」
「盟友の須田もいなくなっちゃったしね」
「うわーん、余計に寂しくなること言わないでよ!」
仲の良かった須田と健二朗。年上の須田に対してタメ口で話すくらいだった。
「まだまだ老け込む歳じゃないし、じっくり下半身作ってやり返して欲しいわ!」
「そうそう、健二朗さんにはオラついている姿が良く似合うしね!」
「なんで、あんなにオラついているのかしらね?」
「でも、ファンサービスは良いよね」
「ニコリともせずに、でもサインはちゃんと全員に応じるしね」
たまに笑うも、ニコリというよりはニヤリである。
「時々、爆笑している時もあるけれど」
「え、そうなの!?」
「ツボに入ると、ね。そういうギャップもいいわよね」
「2018年は残念ながら10点!」
「厳しい・・・・けど、仕方ないか」
「悔しさを糧に、這い上がるのよ! 常葉菊川!」
「もっとオラついている健二朗さんを見せてください!」
一軍のマウンドでオラついてください、健二朗!