2018年振り返り #48 序盤の救世主、今後が楽しみ 京山 将弥
「京山投手、2018年は助けてもらったね!」
理衣が持ちあげると。
「4月は本当にね、京山がいなかったらヤバかったからね」
結乃も重々しく頷く。
多くのファンも納得するだろう。
2018年の一軍成績は以下の通りである。
#48 京山 将弥
当番試合 : 13
投球回数 : 59
防御率 :5.64
勝利 : 6
敗北 : 6
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 42
「防御率は悪いけれど、4月はそこまで悪く無かったよね」
「そうね、やっぱり課題はまだまだあるし、スタミナ的なところもあるし」
「でも、そもそも1軍でこんなに投げるとは思っていなかったもんね」
「綾部と同じように、シーズン終盤に一軍で投げる機会があればな、くらいに思っていたものね」
高卒二年目、まだファームでじっくり育てる段階だと思っていた。
「ところが、今永、濱口、ウィーランドが故障で出遅れたからね」
「井納投手も中継ぎに転向していたしね」
「開幕二戦目でバリオス、というきついローテだったからね」
遠い目をする結乃。
何せ開幕してからは、石田、バリオス、京山、飯塚、東、というようなローテーションだったのだから。
「こうなると、先発としては本当なら8,9番手くらいだった京山を投げさせざるをえなかったわけよね」
「しかも開幕2連敗で回ってきて」
「ビビっても不思議じゃないけれど、連敗していたから勝ってやろうって思えるところが良いわよね」
まあ、負けたところで起用した方が悪いと開き直れる立場でもある。
だが、その試合で好投を見せてくれた。
「あたしたちも現地で応援していたしね!」
「京山投手、凄く良いピッチングだったよね!」
伸びのあるストレートがやはり気持ち良かった。
見事にチームに、そして自身の初勝利を飾ったわけである。
「その後もすーっと勝ちを重ねて、打線の援護とか勝ち運も持っているみたいだしね」
「確かに、京山投手が投げる時は打線もよく打っていた印象があるね」
「イニング食えないし、打たれることも多かったから防御率は悪いけれど、充分よね。80点あげるわ!」
「90点くらいあげても良いんじゃないの?」
「素質があるからこそ、甘やかしすぎない!」
「別に結乃が鍛えているわけじゃないんだけどね」
「まずは、もっとスタミナつけないとね!」
「でも、最後の試合で8回2/3を投げ切ったよ!」
加賀の引退試合、加賀の後をついだら、9回まで投げ切った。
あの試合では、最後まで落ちなかった。
「一軍に慣れたってのもあるのかもね。あとは、毎試合とは言わないけれど、QSを目指して欲しいわ」
「1回の完投より、安定したQSを、ってことだね」
「チームとしてはその方がありがたいはずよ!」
6-7回を投げ切れるようになってほしい。
「と、そんなことを言っているけれど、別にローテ自体が約束されているわけじゃないからね」
「今永投手や濱口投手、井納投手も先発での復帰にかけているしね」
「ルーキーの上茶谷、大貫、それに有望なのは平良。競争が激しいわよ!」
「それでも2018年の好投は、嘘じゃないからね」
目指せ右腕エースだ、京山!