2018年振り返り #52 狙え連続HR! 期待の右の大砲候補 細川 成也
「期待される未来の四番候補、細川選手!」
「ムッキムキよね」
力拳を作ろうとしてみせる結乃だったが、その細腕には何も変化は見られなかった。
「期待の高さはあるよね」
「まだまだでしょ」
とはいえ1軍での出場機会は初年度よりも増加している。
#51 細川 成也
出場試合 : 11
打数 : 18
打率 :.222
安打数 : 4
HR : 1
打点 : 2
盗塁 : 0
「少ない打席の中で、2018年もホームランを打っているのはたいしたものよね」
感嘆する結乃。
「細川選手といえばやっぱり、1軍初登場の試合の印象が強烈だったもんね」
「アレで一気に、ファンの期待も膨らんだものね」
高卒ルーキーにして、初年度から二年続けて一軍でホームランを打ったのは大したものだ。
「とはいえ、二軍の試合で圧倒的な122三振!」
「あはは、凄いね・・・・」
「HRは8本と二桁いかなかったしね。三振はまだいいけれど、長打が物足りないわ!」
「バットに当たらないと、ってとこだね」
二軍でバットに当たらなければ、一軍の投手の球を打てるはずもない。
だが、HRを打っているのだから不思議なものである。
「確実性を求める段階じゃないかもだけど、三年目になったらもうちょっと欲しいわね」
「二軍で無双するくらいじゃないと、なんだよね」
「そういうことよ!」
もちろん、高卒ルーキーでドラフトも5位。
焦る必要はないし、時間がかかるのも理解している。
4,5年目あたりである程度の期待をさせてくれる結果を一軍で残してほしい。
「なんせ、一年目からファームでガンガン打っていた筒香だって、一軍で結果を出すまで時間かかっているしね」
「野手は投手と比べて時間がかかるっていうもんね」
「一軍にあげるのも良いけれど、やっぱり二軍でみっちり試合に出て、打席数を重ねて欲しいわね」
沢山の打席を経験してなんぼである。
その上で、結果も出して欲しい。
「細川はガタイがいいけれど、足とか肩も悪くないから、守備も良い大砲になって欲しいわね」
「確かに、二軍でも盗塁を6個決めているね」
「大きいのが打てて、走ることも出来るなら、こんな嬉しいことはないわよ」
「やっぱり、期待は膨らむね」
「ということで、まあ60点」
「期待をさせておいて!」
「いや、ほら、そこは現実でね」
「不安なのは、二軍の打撃コーチで大丈夫なのか? ってところよね!」
「でもほら、伸びる選手は自分で考えてやって伸びるって。コーチはあくまで手助けだって」
「この時代、変化が激しいからコーチの言う通りにやるだけじゃ難しいのよね」
「だから、わたし達は信じて待つしかない」
「だからも何も、あたし達が指導できないのはずっと同じなんだから」
ファンは楽しみに待っている。
自分を見失うことなく、上がってこい、細川!