2019年4月4日 ヤクルト戦
結果:横浜10-5ヤクルト
敢闘選手賞:佐野、ソト、国吉
「よしっ、勝った!」
グッ、と拳を握りしめる結乃。
「良かったね、三連敗しなくて!」
ホッ、と胸を撫で下ろす理衣。
ストレスが溜まる、というか後味の悪い試合が二つ続いた後の三連戦最後の試合。
序盤の打ち合いから中盤は締まり、後半にまた爆発と、忙しない試合だった。
「とにかく、この試合は勝ち方云々じゃなくて、勝つことが重要だったからね!」
シーズン始まったばかりとはいえ、3タテだけはくらいたくなかった。
「それもあるけど、次の巨人戦が菅野だからね、これで負けていたらかなりの確率で4連敗していたし!」
「か、勝つかもしれないよ?」
「まー、今永が0に抑えれば可能性はあるわね!」
打線に関しては、まぐれの一発くらいしか期待できない。
「でもこの試合では、とうとう宮崎選手とソト選手にホームランが!」
「出たわね、神宮だしね」
「しかも、ソト選手は2ホーマー!」
「この試合に関しては、ホームランでしか点が取れなくても許すわ!」
実際、10得点中、7得点がHRだ。
1,2回のタイムリー以降は全てHRによる得点なのだ。
「実にベイスターズらしい大味な試合よね!」
「その中でも佐野選手! またまた代打で! なんと、満塁ホームラン!!」
「これはさすがに、神ね! いまだ打率10割!」
「4打数4安打で8打点! OPSとか凄いことになっているよ!」
この勝負強さは本物か。
これで守備が良ければいうこと無いのだが。
なお、4月4日時点での佐野の成績は以下である。
長打率:2.000
OPS:3.000
得点圏:1.000
「あとは、ようやく盗塁が出来たわね!」
「神里選手と大和選手だね」
「相変わらず出塁は出来ないけれど、少しずつでも改善、向上していきたいわね」
HRだけではなく、機動力も少しでも使えるようになりたい。
「投手陣では、国吉が良いリリーフをしてくれたわね」
「お、結乃が国吉投手を褒めた!?」
理衣が目を丸くする。
「そりゃ褒めるわよ、良い投球をすれば。変わった直後は打たれたけれど・・・・まあその後は2イニング抑えてくれたし、前回の汚名を返上したわね」
「これくらいのピッチングは出来る、ってことだよね!」
「国吉に求められるのは、今日のようなロングリリーフよ! この調子でいくこと!」
安定感はないかもしれないが、気合で頑張れ、国吉。
「大貫投手はちょっと残念だったね」
「まあ、好投してくれたら儲けもの、くらいだったから良いわ。これを糧にして、次回登板で修正してくれると良いけれど」
「まだ、チャンスはあるだろうからね」
さすがに1回の登板で駄目だからおしまい、ということはしないだろう。
「さあさあ、なんとか盛り返したところで、絶好調の巨人を横浜で迎え撃つわよ!」
「初戦はエース対決、今永投手と菅野投手だね」
「菅野もそうだけど、巨人は打線も好調だから怖いわよね」
吉川、坂本、丸、岡本、ゲレーロと、誰もが打っている。
「それでも、勝つわよ! 勝ち越すわよ!」
「応援も気合、入れるよ!」
「ここでストップ、巨人をするのはベイスターズよ!」
気合を入れる結乃と理衣。
「なんたって、また2戦目にスタジアムに行くんだから、次こそあたしのために勝ちなさいよ!!」
「また、そういうことを言う・・・・」
とはいえ、よりによって観戦に訪れた試合だけクソ試合なんてのはやめてほしい。
頼むよベイスターズさん!