2019年6月1日 ヤクルト戦
結果:横浜7-0ヤクルト
敢闘選手賞:上茶谷
「ボーッと生きてるんじゃないわよっ!」
快勝し、結乃のテンションも上がっている。
おまけにこの日はガールズフェスティバル、華やかな一日でもあった。
「暑かったけれど、勝てたし、クイズ大会も楽しかったし、良かったね!」
理衣も、ガールズのユニフォームを着てほくほく顔である。
「勝ってイベントと負けてイベントじゃあ、テンションも違うもんね!」
こちらもガールズのユニフォームではしゃぐ結乃。
試合終了後は、グラウンドに入ってクイズ大会。
残念ながら途中で負けてしまい、本気で悔しがっているが、それでも試合に勝てたことが最上である。
「なんといってもこの試合は上茶谷ね!」
「プロ初完封! 前回登板で9回に打たれた反省があったのかな」
「ピンチもあったけれど、良いところでゲッツーがとれたわね!」
もちろん、ヤクルト打線の調子が悪かったのもあるだろうが、それでも完封できたのは素直にたいしたものである。
これで濱口、今永に続いて完封者が出たわけだ。
「上茶谷の投球、初めて生で見たけれど、なんか打ちにくそうな感じだったわね」
「そうだね、スピードは140キロ台前半から中盤くらいのストレートでも、振り遅れている感じだったね」
「なんかこう、ボールが手を離れてからミットに届くまでが速く感じたわ。球持ちが長いのかしら?」
首をひねりつつ、投げる真似をする結乃。
「結乃、スカート、見えちゃうから」
ひざ丈のスカートなんか穿いてきた結乃が足をあげるものだから、理衣が慌てる。
「まー、これで濱口も情けない投球は出来ないでしょ、暑さの中で上茶谷が好投したんだから」
「前回、炎上しちゃったもんね」
「元気のないヤクルト打線とはいえ、一度火が付いたら爆発する怖い打線であることに変わりはないんだから。悪い時にそれなりの投球が出来ればねぇ」
苦言をていする結乃。
「打線は効率よく点をあげたね」
「ホームランなしで7点なんて、どうしちゃったのかしらね?」
「中でも神里選手は4安打3打点の大活躍! 守備でも好プレーを見せてくれたし、顔もイケメン!」
「他の野手も、それなりに活躍したわね・・・・4番以外は!」
活発な打線の中で筒香一人、全く駄目だった。
「チコちゃんに叱られるわよ!」
エラーもあったし。
「文句ない試合だったんじゃない?」
「そんなことないわ。5回は見事な集中打だったけれど、1,3,4回と先頭打者も出て、得点圏にランナーいって、追加点が取れていないからね!」
特に、前述の筒香が得点圏で全く打てなかった。
1死1,3塁の場面ではせめて犠牲フライくらい打って欲しかった。
「まあ、皆が打っていたし。4番は、他の選手が打てない時に打ってくれれば!」
「そうなれば良いけどね」
得点圏打率も低く、打点の少ない筒香には結乃も厳しい。
「だけどこれで相手のヤクルトさんは16連敗だって・・・・」
「17連敗までしたら、あとはパリーグ相手に爆発してくれればいいわ!」
「ベイスターズも負けたくないしね」
「交流戦で切り替えて、パリーグ相手ならいくら勝っても良いわよ。てゆーか、広島にどこも勝てないの!?」
独走気配になってしまっている広島。
ベイスターズも調子が上がってきたが、こういう時に限ってなかなか対戦がない。
「まあ今は広島どうこうより、借金返済よ! あと5つ!」
「交流戦、苦手だけど今年こそ勝ち越したいね!」
「その前に、ヤクルトとの3戦目、ヤクルトには悪いけれど勝つわよ!」
「おー!」
久しぶりの現地観戦。
満足し、意気揚々として結乃と理衣は帰途についたのであった。