2019年8月4日 巨人戦
結果:横浜3-2巨人
敢闘選手賞:石川
「石川選手、1,000本安打、おめでとうございまーーーす!!」
理衣が言い、クラッカーを打ち鳴らす。
「雄洋がここまでくるとはね!」
結乃も感慨深い表情で頷いているが、何様のつもりであろうか。
「ホームの横浜で決めたのも嬉しいね!」
「週末、満員の横浜スタジアムで、相手は首位の巨人! 願ってもないシチュエーションだったわね!」
「決めたのが3塁打っていうのも、なんかね」
「まー、岡本の守備が酷かったっていうのもあるけど」
「またまた、素直に喜ぼうよ!」
運も味方にしたのかもしれないが、それでも1000本安打したことに間違いはない。
「石川にヒットが出たことで、もう絶対に負けられないぞ、ってベンチはなったわよね」
「皆、凄い喜んでいたもんね!」
「そこで嶺井がしぶとくタイムリー! 執念で右に転がしたわね」
結果的にこの嶺井のタイムリーでホームを踏んだ石川の得点が決勝点となった。
「ヒーローインタビュー後のケーキのサプライズとか、面白かったね!」
「ケーキを持っているから動きがぎこちなかったわね」
「それで、全員で集まって記念写真も良かったよね~」
「2000本安打でもないのにあそこまでやるって、それだけ石川が皆から慕われているってことでしょうね」
「苦労してきたもんね」
暗黒時代の唯一にして最後の生き残り。
若手の頃に期待され、石井を押しのけて遊撃に配置されてファンからは厳しい目を向けられた。
どこかチャラく見える容姿も、ファンに野次られる要因だったろう。
それでもしぶとく生き延び、チームの中では最も走塁とバントが上手いことで役割を得た。
いやそれ以上に、チームの雰囲気を良くする存在になっている。
「まさか雄洋がそんな風に重宝されるようになるなんて、若手の頃は想像もできなかったわー」
「今や、幸運の存在だもんね」
「幸運の置物? 何て言われているけれど」
一軍に居続けているには、理由があるのだ。
「さーて、石川ばかりだったけれど、これで首位の巨人を3タテ! ゲーム差も0.5に!」
「まさか、本当に3連勝するなんてね!」
「でも勘違いしないように。どっちかというと巨人の調子が悪いタイミングで、この3連戦も相手のミスで勝っているようなもんだからね」
「確かに、ミスが多かったよね」
この試合も、若林の送球ミス、岡本の捕球ミスで得点が出来ているようなものだ。
勿論、相手のミスをとった得点を守って勝つことが出来ているのは、力が付いてきたことでもあろうが。
「次はやっぱりオールスターあけて好調のカープとの対戦、そう簡単にはいかないわよ!」
「また盛り返してきたもんね・・・・」
今シーズン、連敗が各チーム多い。
連勝も、相手チームがこけているから出来ているとも考えられるのだ。
「中継ぎ陣が連投中なのは変わらないからね、頼むわよ先発陣、ホントに!」
「それと、打撃陣の援護だね!」
なかなか大量リードで勝ちパターンを休ませられないのがキツイ。
8,9月を乗り切るためには、そういう試合をなるべく作りたいのだが。
「今のところ投手陣に頼っているからね、暑い時こそ打撃陣の力を見せろ!」
「爆発だ!」
さあ、気持ちも新たに次の試合に臨もう。