2019年8月31日 広島戦
結果:横浜2-4広島
敢闘選手賞:中継ぎ
「やっぱり京山かぁ!」
試合終了を見届け、結乃が悔しそうに呟く。
「2点差までは迫ったんだけどね」
応じる理衣も悔しそうである。
これで連勝は5でストップした。
幸いなのは、巨人も負けたというところか。
「まー、先発が京山という時点である程度の想定はしていたけれど、打線が頑張っていればねー」
「また九里投手に抑えられたね」
「それは問題よ! CSであたるかもしれないんだから!」
苦手意識は持たないようにしたい。
「負けはしたけれど、藤岡、武藤、平良で失点せずに終えられたのは良かった点ね」
「どこかで負けはするわけで、諦めはつく負けって感じ?」
「負けたらなんでも悔しいわよ! でも、出てきた中継ぎも炎上するよりマシよ。相手の打線の勢いをつけさせなかったし」
「こちらの打線も勢いがなかったけどね」
「ロペスがブレーキだったわね・・・・」
肩を落とす結乃。
特に初回、無死1、2塁で併殺に倒れて勢いがそがれてしまったし、九里ものってしまったように思える。
「あとは筒香が2点タイムリーを打った後、まだチャンスでまた凡打」
「打てない試合もあるから仕方ないけどね」
次の試合は頼む、ロペス。
「うーん、でも京山、やっぱりダメだったわね。これでこの後の先発ローテ、どうするのかしらね」
「濱口投手がいなくなって、厳しいよね」
「次もまだ6連戦だからね。東が戻って来られれば、上茶谷、平良、東、井納・・・・あれ、いない?」
「く、苦しいねぇ・・・・」
もし東が間に合わなければさらに苦しい。
「石田をもう一回、先発にとか・・・・?」
「それもどうかっていう気もするよねぇ」
「相性を考えると、阪神戦で勝利をあげている大貫を平良のところに、ナゴヤドームと相性のいい平良を週末の中日戦に持っていく手もあるわね」
「もし東投手も間に合わなかったら、京山投手、あるいは阪口投手とかかもね?」
「本当に怪我人だらけね!」
頭を抱えるしかない結乃だが、チームの首脳陣はもっと悩ましいだろう。
「これだけ主力にけが人続出で、よくくらいついているわよね」
「毎試合が総力戦みたいだもんね」
「それに比べて巨人はまだそこまで無理していないもんね。きっついわー」
どう考えてもベイスターズはボロボロだ。
それでも。
「もし、しがみついていければ、後から必死になろうとする巨人よりも今から死力を尽くしているベイスターズが飲み込む可能性もあるわよ! その前に力尽きるかもしれないけれど、ここはもう賭けるしかない!」
無理をしないでほしい、無茶はしないでほしい。
そう思ったところで、選手達は無理も無茶もするに決まっている。
何せ、この時期にこんな状況で戦えているのは初めてのことなのだから。
「あたし達も最後まで全力よ! でもまずは3戦目、今永! ここで勝つのがエースよ!」
「なんとかビジターで勝ち越したいね!」
「次の巨人戦まで、可能なら3ゲーム差くらいまで縮めたいわ。そのため、今永の試合は負けられないんだからね!」
「頼みます、本当に頼みます!」
特に投手陣は皆疲れ切っているだろう。
それでも、我々は頑張ってほしいとしか言えない。
「いよいよ勝負の9月! 9月にこんな位置にいるなんて、DeNAはもちろん、その前だって98年以来ないことよ!」
「見ているのも胃が痛くなるけれど、それも特権だよね! さぁ、ふぁいと!」