2019年振り返り #5 過去最低の成績に危機感を 倉本 寿彦
「倉本かー、2019年は全然だったわね」」
結乃が渋い表情で言う。
「成績も厳しいね!」
理衣が目をバッテンにして言う。
#5 倉本 寿彦
出場試合 : 24
打数 : 33
打率 :.121
安打数 : 4
HR : 0
打点 : 2
盗塁 : 0
「数字を改めて見ても酷いわね!」
「どうしちゃったんだろうね」
かつて2016年には157安打を放った男。
以降3年間、成績が急降下している。
「さすがにこれは・・・・10点くらいかしら」
「そ、そう・・・・だね・・・・」
0点にならないだけ温情か。
「本人は色々と試行錯誤して、打撃の形とかも変えているんだけどね」
「結果が出ないとね・・・・4安打は厳しいね!」
「HRは打てなくても、ヒットが打てないとタイプ的にね」
足が速いわけでもない、守備が物凄く上手いわけでもない、となると安打を放ってくれないと使いづらい。
「ショートは今は大和、柴田。その後は森っていう流れになっているわよね」
「となると倉本選手はどうすれば?」
「・・・・」
「無言!?」
「いやだって、思い浮かばなくて。言ったように安打数を稼いでアピールしないとキツイわよね」
「もしくは勝負強さ、とかだね」
2017年は50打点をあげた。
長打は望めないので、そういう点の力をあげていかないと厳しい。
「打力があがれば、内野のユーティリティとして生き残れるかもしれないわよ」
「そこまで厳しい状況?」
「そらそうでしょ」
内野の控えという点で、二塁、三塁、遊撃を守れるのですぐに切られることはないかもしれない。
だが、同じようなタイプは多く抱えるわけにはいかないだけに、他の誰かが力を付ければ。
あるいはどこかから入ってくれば、一軍定着はさらに難しくなるだろう。
「年齢的にも2020年は背水の陣よ! 生き残るためにあらゆるものを絞らないと」
「出てくるとファンも喜ぶ人が多いし、まだまだ老け込む年齢じゃないですよ!」
「見返してみなさい、倉本!」
果たして倉本の逆襲はあるのか。
見守っていきたい。