「ラミレス監督がまた大胆なことを言ってきたね!」
ネットニュースを見た理衣が言った。
「どれどれ。ほう、左腕を前面に押し出したローテねぇ」
ふむんふむんと、結乃が頷きながら言う。
DeNA、全員左腕ローテ!ラミ監督仰天投手構想「可能性ある」
今永、石田、濱口、東、坂本、櫻井。
この6人である。
「あくまで可能性ってことでしょ。だいいち、坂本、櫻井は実績ないしね」
「まあそれはそうなんだけど、ロマンって感じだね」
「今まで聞かないっちゃあ聞かないけれど、サウスポーならいいってもんじゃないからね」
「あれ、意外と否定的?」
理衣が首を傾げて問う。
「明らかに左腕が苦手、とかいう選手はいるかもだけど、左腕なら勝てるってわけじゃないでしょ」
「まあねー」
「あたしは別に、全員右腕でも全員二桁勝利できるなら構わないわ。要は、力のある投手が先発やればよいのよ」
それはそうである。
勝てる力があれば、右も左も関係ない。
極端な話、菅野クラスが6人とか、今永クラスが6人なら構わないのだ。
「実際はそんなことないから、左右がローテに入ってくるんだしね」
「今回は冷静だねぇ」
「そもそも左腕4兄弟とかいわれてまともに4人そろってローテに入ったこと無いしね。まずは怪我せず1年間ローテに入ってみなさいっての!!」
「あ、気炎を吐いた」
2年続けての活躍というのもないわけで。
「さらにいうなら、石田を先発にまわしたら、中継ぎが手薄になるじゃない」
「それは確かにね」
理衣も頷かざるをえない。
「エスキーはどちらかというと、困っている時にどこでもいってもらうから、セットアッパー固定じゃない方が良いのよね」
「いつも助かるもんね」
「三嶋もある意味、同じよね。勝ちパに石田、その方がしっくりくると思うのよね」
中継ぎ適性を示してくれた2019年。
同じような活躍を望むファンも多いだろう。
「そうしたら、石田投手-山﨑投手のドラ2、ドラ1リレーだね!」
「それも夢があるじゃない!」
現実的には、きちんと選手の調子を見極めてローテを組んでくれるのだろう。
「上茶谷や平良、大貫、井納にピープルズもいるしね!」
「うーん、先発投手が多すぎて嬉しい悲鳴!?」
「あくまで、”候補”が多いだけだからね!」
「やっぱり手厳しい!?」