2019年振り返り #67 崖っぷちからまた這い上がれるか? 古村徹
「一度戦力外となり、打撃投手となり、独立リーグ、そしてまたベイスターズにと、たいしたもんよね」
古村のことを改めて思い返し、しみじみという結乃。
「戻って来られた、っていうのが凄いよね」
理衣も頷いている。
「でも、だからって甘えられるわけじゃないからね!」
#67 古村 徹
当番試合 : 3
投球回数 : 4
防御率 :6.75
勝利 : 0
敗北 : 0
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 0
「って、これじゃあ何のために再獲得したのかわからないじゃない!」
成績を見て憤慨する結乃。
ちなみにこれは2軍での成績である。
「ほら、でも、怪我しちゃったから」
理衣が取りなすように言う。
「それは分かっているけれど、古村の立場ってもんから考えると、もう後がないんだから」
「とはいえ、怪我ばかりは想像できないよね」
「自己管理!」
実際、何が原因だったのかは不明だが、古村としては痛い一年だった。
「ルーキーじゃないんだからね、点数は厳しく10点で」
「辛い、けど仕方ないのかぁ」
「むしろ0点としなかったことを感謝してほしいわね」
「苦労して150キロも投げられるようになって、なんとか1軍のマウンドに立ってほしいね」
「あたしだってそりゃ、そう思うわよ。でも同時に、プロは厳しい実力の世界だからね」
「中継ぎ左腕だから、チャンスもどこかであると思うんだけど」
「そのためにはまず2軍でしっかり投げて結果を出さないと!」
それが出来なければ生き残れない。
2019年は、2軍で投げるチャンスすら掴むことが出来なかったのだ。
「おそらく2020年はラストイヤー、結果が出せなければ再び戦力外候補よ」
「立場的にはそうなっちゃうよね、やっぱり」
テスト入団なのだ、まだ若いとはいえ猶予があるはずもない。
「目覚ましいものじゃなくても、一軍で、コレは使えるかも! そう思わせる何かがないとね」
「うーん、頑張って欲しい!」
「本人も何か掴みたくて、三嶋や石田達と山登りに参加したんでしょうし」
「活躍できれば他の人の励みにもなるしね」
駄目だと思われた男の逆転劇。
なんとか見せて欲しい。