2020年8月8日 ヤクルト戦
結果:横浜5-4ヤクルト
敢闘選手賞:佐野
「万全の勝利、なんてそうそういくもんじゃないわね」
眉をひそめて難しい顔をしながら結乃が言う。
「最後まで冷や冷やしたねー」
理衣は安堵の表情を見せる。
まあ、何はともあれ勝利して連敗しなかったことをまずは喜ぼう。
「この試合はやっぱり佐野ね! 同点タイムリーに勝ち越しホームラン!」
「本当に、どんどん四番らしくなっていくね!」
「シーズン当初はチャンスに弱かったけれど、HRを打ち出してからチャンスでも期待できるようになったわね!」
「打率も良いし、いい四番だよね」
「まあ、守備や走塁はアレだけど仕方ない!」
この試合でも拙守があった。
打撃でとった選手なので、守備と走塁以上に打ってくれれば良いのだ。
ただ、気を抜いたプレーさえしなければ。
「打線は活発に12安打! だけど5得点と効率の悪さは変わらずね」
「でも、村上選手に2ランを打たれたすぐ後に中井選手がHRとか、宮崎選手がダメ押しタイムリーとか、欲しいところでは取れていたよね」
「前向きにとらえればね」
「クリーンナップは揃ってマルチヒットだし、神里選手も好調キープで3安打!」
「ヒットを打つスポーツじゃないわよ、点を取るスポーツだからね!」
まあ、この辺は分かっていても言い続けるだけである。
「投げる方では今永が6回投げ切れずに降板か。物足りないわね」
「やっぱり球数かなぁ」
「本人としてももどかしいのかもしれないけれどね」
今の状況では、平良や大貫の方が安定して投げてイニングも食ってくれている。
それでも、今永には期待をしないわけにはいかない。
「中継ぎでは山崎投手がこのポジションで安定してきたね」
「プレッシャーの違いもあるのかしらね、やっぱり」
「このままどんどん調子を上げていってほしいね」
「そうね、三嶋の調子が良いうちに」
「その三嶋投手がこの試合も1点差を抑えてもう5セーブ目!」
「しかも3アウト目は牽制アウトとか、やってくれるわね」
牽制アウトは偶々かもしれないが、牽制をしない山崎との違いともとれる。
「とはいえ、いつまでも抑え続けられるかとか、抑えの怖さとかもあるからね。康晃が戻ってきて、三嶋と石田でセットアッパーになれば強力よね」
「もちろん、今の役割も安定しているけれどね」
「ただ言えることは一つ・・・・平田ぁ、こういうところで抑えれば、なのに!」
残念だった平田なのであった。