「2020年シーズンも残り5試合ね!」
結乃が言う。
「色々あったけれど、無事に終わりそうで良かったね」
理衣も感慨深げに言う。
「さあ、そこで気になるのが個人タイトル、特に佐野と梶谷の首位打者争い!」
「二人で争っているもんね」
「今回は、どうすればどちらが獲得できるか、ちょいと見てみたわ!」
「お、どれどれ?」
「まず、これが現状よ」
打数 | 安打 | 打率 | |
佐野 | 402 | 132 | 0.328358 |
梶谷 | 423 | 138 | 0.326241 |
「佐野選手の方が2厘ほど上回っているね。梶谷選手、ちょっとで抜けそうだけど」
「数字的にはそう見えるけれど、それがそうでもないのよ」
「そうなの?」
「何せ打数が多いからね、そう簡単に数字が上がるわけではないのよ」
「うわー、本当だ! 梶谷選手が残り試合をかなりハイペースでいかないとダメなんだね」
「もちろんこれは残り全試合に出場した場合。梶谷の場合1番打者で打順も多く回るし、残り5試合中4試合はビジターで9回表まで確実にいくから、5打席回る可能性も結構あるからね」
「なるほどー」
「単純に3打数2安打とかでも上回るけれど、それじゃ終わらないでしょう」
「四球とかもあるけれど」
「最多安打を狙うから、どうかしらね」
「あ、確かに」
「しかしここで、3試合が中日戦!」
「最多安打を競う大島選手だね!」
最多安打は、大島が140本で梶谷が138本の2本差。
安打数は減らないので、残り5試合の調子でどうなるか分からないが、いかんせん直接対決。
お互いにまともに勝負にはいかない・・・・というわけにもいかない。
「何せ中日とDeNAは0.5ゲーム差の3位と4位! Aクラス入るため、わざと歩かすなんてそう出来ない!」
「確かに、1番打者を歩かせてね。盗塁されてヒットで1点だもんね」
「ナゴヤドームだと大量点よりは僅差になりやすいから、さらにね」
「となると、勝負するしかない?」
「ピンチで塁が空いている、とかじゃなければね。そうなると、横浜投手陣は大島に滅多打ちにあっているから分が悪いわよね」
「さらにナゴヤドーム連敗中だもんね」
打率も、最多安打も梶谷に分が悪いデータが揃う。
「それでも、諦めずに最後まで全力でやって欲しいわね」
「タイトルを獲得できる、出来ないは大きいもんね!」
どのような結果だとしても2020年の梶谷が素晴らしかったことは変わらない。
でも、タイトルを獲得しているというのは箔が付くし、名も残る。
チームの勝利もあるが、そのうえで梶谷もタイトル獲れることを願う(佐野にも取って欲しいのはありますけどね)