「試合内容は見られていないけれど、良かったみたいじゃない」
と、結乃が納得げに頷く。
「こういう試合がいいよね!」
理衣も嬉しそうである。
阪神との練習試合。
- 先発の阪口が4回1失点。
- 京山が4回無失点。
先発ローテを争う若手が好投して結果を出したのはもちろん。
投手が好投し、打線が少ない好機をものにして勝つ。
こういう試合が増えると強くなれる気がする。
「阪口はピンチも背負ったみたいだけど、そこで冷静に抑えられたということを自信にしたいわね」
「完全に抑えられるなんてことはないもんね」
「なんとか21年シーズンは一皮むけて欲しいわね」
「期待の一人だよね」
「そして京山も好投したみたいね」
「こちらは無失点、期待というより、そろそろ活躍してくれないと困る! って感じになってくるよね」
「苦労したシーズンを経験して、少し成長したのかしらね?」
「是非、二人とも先発ローテに入り込んできてほしいね!」
「打線では、佐野がホームラン! それも逆転3ランと、佐野で勝ったようなもんね」
「これぞ4番! てね」
「ソト、オースティンがどうなるか分からない以上、佐野と宮崎にかかる期待が多くなるからね」
「特に佐野選手はチャンスにも強い印象だし、打点を稼いでほしいよね」
「でも佐野が良くてもランナーがいないと意味がないし、後ろがしょぼいとまともに勝負されないからね」
「だからこそ周囲を固める選手が大事なんだけどね!」
そのために走塁とか、足のある選手も見極めているわけで。
投打はもちろん、打線の中で爆発力と機動力、そしてしぶとさ。
そういったもの全てを噛みあわせられるようなチームになっていってほしい。