「中継ぎとしてだいぶ、安定してきた国吉ね」
腕組みしながら結乃が言う。
「背番号92も慣れたね」
柔らかな笑みを浮かべながら理衣が言う。
#92 国吉 佑樹
登板試合 : 42
投球回数 : 46
防御率 :3.13
勝利 : 3
敗北 : 4
セーブ : 0
ホールド : 10
奪三振 : 51
「おー、防御率がよくなったわね」
「確かに、安定していたかな」
「まー、不安定な時は不安定なんだけど、そこが減ったのかしら」
「中継ぎに慣れたっていうのもあるかもね」
「回跨ぎさえしなければね」
「そこは難しいところだね」
完全に安定というのは難しい。
出てきてあっさり三者凡退に抑えたと思ったら、回をまたいだ途端に乱れるとかもあり。
その辺が中継ぎの難しいところだろう。
「先発もしていたし、2,3回くらい投げられるでしょ、と思っちゃうのかもね」
「でも中継ぎで出ると緊迫した場面も多いし、そういうところで登板しての2イニングとは違うよね」
「先発の時は6回3失点OKだけど、中継ぎはそうもいかないからね」
「最初のイニングに力を込めて、抑えたら力が抜けちゃうとかね」
きっちり抑える時は、剛速球で相手をきりきり舞い。
かと思えば制球不安定でランナーをためたり。
「あとはランナーを出したときね」
「なんか課題ばかり言っているような」
「期待よ、期待!」
「国吉投手には期待が大きいよね」
「何せ国吉だからね」
とはいえ、今や中継ぎとしてなくてはならない存在。
完全な勝ちパターンとまではいかなくても、ある程度は任せられる。
「ということで85点よ!」
「更なる上積みを期待!」
ファンといえば国吉に期待しては裏切られてきた。
しかし、そんな国吉はもういない・・・はず!
剛球はそのままに、更なる安定感を高めて欲しい。
「しっかし、国吉が投げて柴田が守っていると遠近感が狂うわよね・・・」
「あはは」