「2戦目は完封負け!」
胸を張って結乃が言う。
「うーん、残念!」
理衣は悔しそうである。
幸先の良いスタートではあったが、2戦目はあまり見所も無く負けた感じである。
「何せ2安打で完封負けだからね!」
「さすがに寂しいね」
「安打を放ったのは佐野と宮崎と、基本的にレギュラー約束された選手の二人。あとは・・・・」
「これだと特定の選手がダメだった、ってわけでもないもんね」
「こういう試合もあるとはいえ、いやー、期待できる選手はいないのか!?」
強くテーブルを叩く結乃。
完封負けの中でもチャンスがなかったわけではない。
死球とヒットで得た1死満塁のチャンス。
中井がダブルプレーで終了。
「そういうところよ中井!」
「一番やっちゃいけないやつ!」
「得点圏での打てなさはどうしようもないわね中井!」
一軍のサブとして活躍しているといっても、あれだけ出場して打点は二年間とも一桁。
誰かチャンスに強い人はいないのか。
「まー、そこだけ切り取って責めても仕方ないけれど。他ももれなく打てなかったし」
「厳しいですねぇ」
「桑原も、守備は良いんだけどね、守備は」
「スーパープレーがあったもんね!」
先はまだまだ明るくないか。
「投手陣は、平良が4回2失点とはいえ、7安打は打たれすぎね」
「でも前回からはよくなってきた?」
「良くしてもらわないと困るのよ!」
「開幕投手候補だもんね」
「石田はまだまだ調整不足かしら・・・・」
「1回2失点だったね」
「石田には頑張ってもらわないと、左腕リリーフがきついから!」
「開幕までにはあわせてくれるでしょう!」
「良かったのは濱口が4回1失点、球数も少なかったかな?」
「濱口投手は順調に来ている感じだよね」
課題は沢山。
解消される見込みは薄い。
新人監督にやりくりでどうにかしろというのも厳しい話で。
「まー、そんな中でどんな戦いをしていくかも楽しみってもんよ!」
「前向きに楽しみましょう!」
というか、むしろ今季はそう楽しむしかない気もするが!