結果:横浜8-7ヤクルト
敢闘選手賞:石田、戸柱
「なんとか勝ったかー」
息を吐き出し結乃が言う。
「これで2カード連続勝ち越し、5月勝率10割を維持!」
理衣が拍手する。
どちらにも流れがいったりきたりした打撃戦。
こういう試合を落とすと疲ればかりが残りダメージが大きいので、勝てたのは大きい。
「とはいえこの日も先発の阪口が2回で降板だからね」
「アクシデント? 不安だね」
「坂本も打球直撃で抹消、阪口も怪我なら、本当に先発いなくなるわよ」
「どうなっちゃっているんだろうね、呪われている!?」
この3連戦、先発がいずれも3回もたずに降板。
必然的に、中継ぎにダメージがいっている。
平田、砂田が失点して同点に追いつかれたが、正直な所、責められないだろう。
「この日は石田が3イニング以上投げているから、中日戦の2試合には投げられないでしょうね」
「砂田投手は3連投、平田投手、国吉投手、三上投手もこの3連戦で長いイニング投げているもんね」
「9連戦の真ん中でこれはキツイわ。本当に誰か中継ぎであげられないかしら?」
「本当に!」
「それでも、打撃陣の踏ん張りがあったのは大きいわね」
「この試合ではなんといっても戸柱選手が2打席連発!」
「ビックリね。今まで全然打っていなかっただけに尚更」
「打った瞬間、って感じだったもんね」
「戸柱以外も、満遍なく打って……あ、宮崎だけ駄目ね。チャンスで凡退」
「まあ、全員が打つってわけにもいかないでしょ」
「とはいえ、打席内容がなんというか、ガッカリ感がね」
「それも皆でカバー! 大和選手、オースティン選手、ソト選手がタイムリー!」
「ソトも2安打して、上がってくれば下位打線も充実よ」
「打線が戻ってきました!」
というか、今のチームでは、打線で勝つしかない。
「決勝点は桑原選手のホームラン!」
「その前の打席、チャンスでゲッツーやっていたからね、取り返したということかしら」
「失敗をせめるだけじゃなく、ね」
「本人も分かっているなら良いけど」
打線の踏ん張り。
そしてエスコバー、山﨑、三嶋の勝ちパターンの状態の良さ。
それだけに、先発が6回を投げてくれればというところなのだが。
「その先発の手薄さのため、中日戦初戦はピープルズが先発! 2軍でも打たれていたんだけど」
「もう、本番の強さに期待するしかないね」
「中日打線ということもあるかもだし、パンテリンドームだからなんとか打たせてとって、ね」
「中継ぎの負担を抑える投球に期待を!」
「その後大貫、そして濱口を中5日で投入するかしら?」
「ピープルズ投手、大貫投手に頑張ってもらって、9連戦最後は総力戦で!」
チームとしては状態は上向き。
とはいえ中継ぎが崩壊したら落ちていくのは目に見えている。
打ちまくるか、先発が少しでも踏ん張るか。
なんとか先発の奮起に期待したい。