結果:横浜11-8オリックス
敢闘選手賞:ソト、石田
「もーっ、最後までヒヤヒヤだわ!」
憤慨したように結乃が言う。
「なかなか楽には勝てないね」
理衣も疲れたように言う。
乱打戦を制してどうにか逃げ切った。
見ている方が疲れるような試合だった。
「それでも、とりあえず勝ち越したわー」
「それが一番だよね! 勝てばすべて吹き飛ぶ!」
「褒めて良いことばかりじゃないけれどね」
「でも打線は頑張りました!」
「特にソトが6打点と一人で半分以上を稼いだからね」
「2HRで、量産体制に入ったかな?」
「固め打ちができるのも、ソトの強いところよね。まあ、オリックス投手陣がいまいちだったかも、ってのはあるかもだけど」
「初回、2点取られた後すぐに逆転3ラン! そして1点返されたあとにまたホームランと効果的だったね!」
ソトも本格的にあたたまり始めたか。
パワーではパリーグにも負けないし、見せつけてやってほしい。
「あとは神里も3打点か」
「初回、先頭打者HR! その後も犠牲フライにタイムリー!」
「よくやってくれたけれど、三振二つと、とにかく圧倒的な三振率は一番打者向きじゃないんだけどね・・・」
「それでも打てれば!」
桑原の怠慢プレイによって巡ってきたチャンス。
そこをどうにかものにしたいところだろう。
「そしてなんといってもオースティン! あの全力疾走を見習いなさい!」
「初回、宮崎選手のヒットで3塁へ! そして8回はセンターへの打球で2塁まで!」
「特に8回は、その後の宮崎の内野ゴロで3塁に、それがソトの犠牲フライにつながったからね」
「あの1点は貴重だったね!」
「どこの誰とは言わないけれど、みんな、ちゃんと走らんかい!」
「えーと、選手全員、ってことだよね」
「打線は良かったけれど、ロメロは先発向きじゃないのかもね」
「4回になると打たれちゃうね」
「逆にいえば中継ぎ向きじゃないの? 先発が不足なのはわかるけれど。あるいは、やっぱり調整不足よね」
「魅力的ではあるから、先発にするならキャンプやオープン戦などしっかり準備してからやって欲しいね」
良い球は持っているし、若いこともあり、なんとか日本野球にアジャストしてほしいが。
一度二軍に落として調整するらしいが、さて、どの方向で調整するか。
まあ、ロメロを一軍にあげざるをえない先発状況だったというのもあるが。
「ロメロの後を継いだ石田がなんとか止めてくれたわね」
「まだ無死1、3塁のところ、1失点で踏ん張ってくれたからね」
「その後の投手陣も、なんとか最低限で切り抜けてくれたから」
「最後はヒヤヒヤしたけどねー」
「それもこれも俊太! あんたよ! てゆーか、守備に入れるなら牧を一塁で田中を本職の二塁じゃ駄目なのかしら?」
「牧選手をずっと2塁で使っているからね」
とはいえアレでは使えないぞ?
「さて、勝ち越したとはいえ、先発が2人、消えたわ!」
「果たしてどうするんだろうね・・・」
「そして週末は楽天の表ローテを粉砕しに仙台よ!」
「手強いけれど、この打線の勢いで飲み込みたいね」
そう甘くはないだろうが、今のチーム状態なら打線で粉砕するしかない。
「こちらは坂本、濱口、今永の左腕三人衆よ!」
「まずはカード頭! 坂本投手、怪我も治ってまたお願いします!」