「いよいよ6月に入るわね」
腕組みをした結乃が言う。
「5月、立て直したけれど、結局負け越しちゃったね」
残念そうに理衣が言う。
調子が上がったかと思いきや、またしても連敗をしたのが痛かった。
先発ローテは炎上と脱落者が相次ぎ、打線は繋がりを欠いた。
「その中で突入した交流戦、第一週は3勝2敗1分けだったわ」
「1つ勝ち越しました!」
「先発は3連続炎上とかあったけれど、打線の勢いで3つ勝った感じね」
「横浜スタジアムとはいえ、ホームランを量産したもんね」
「ホームランの威力はもちろんだけど、それが出たのも打順変更のお蔭でしょうね」
「2番の光さんだね!」
明らかに、2番伊藤光になってから変わったと見えた。
「打撃はそこそこ好調、粘れて、四球が選べて出塁率が高いのがハマっているわよね」
「伊藤さんの姿勢が他の選手の参考にもなっている感じ」
「そうね、そして下位打線で大和をフリーに打たせているのも良い結果になっているわね」
「得点圏の強さ!」
2番ではなかなか得点圏で回ってこないし、求められる役割が違う。
「2番問題が解決!?」
「まー、他にいないってのもあるけどね」
捕手という激務のポジション、時には休ませたい。
そう考えると他に2番適性のある選手がいて欲しいのが本音ではあるが。
「当面は伊藤光でいくしかないけど、長期的にどうするかはまた別の課題ね」
「捕手としてやることも多いしね」
「そして1番打者問題は相変わらずね」
「なかなか、だね。。。」
桑原、神里はともに野球脳が低そうである。
補えるだけでの打撃があれば良いが、早打ち、粘れない、選球眼悪しではイマイチ。
関根も2軍では無双しても、1軍の壁はなかなか越えられない。
「ということで蛯名を試しましょうよ、1番センター!」
「エビちゃん推すよね」
「こうなると今まであまり起用していない新しい選手に期待したくなるわよ」
「盗塁もできるしね」
「さて、交流戦は中盤戦、ハマスタ6連戦よ!」
「ソフトバンクさん、ロッテさんを待ち受けます!」
「どちらも手強いけれど、空中戦で活路を見出すしかないかしらねー、やっぱり」
「点差を付けて、勝ちパの皆さんを休ませたいよね」
エスコバー、山﨑、三嶋、そして加えて砂田。
登板過多の面々である。
「気温もあがって、ソトやオースティンはもっと爆発して! ガンガン打て!」
「三浦さんの期待する野球とは違うかもだけどね」
「理想と現実は違うってね。でも、だからといって基本を疎かにしないように! 走塁、小技もちゃんとレベルアップしないと」
「ホームだし、今週も勝ち越しましょう!」
交流戦、上位フィニッシュ、いや優勝を目指して進むべし。