「オリンピックも予選が始まったわね！」
暑さに負けない元気で結乃が言う。
「いよいよ、っていう感じだね」
理衣も追随する。
「無事に最後まで実施できるといいけどね！」
「またそういう余計なことを・・・」
「気分を変えて、ザッツ振り返り！ 今回は石田ね！」
「背番号順じゃないんだね」
「適当だからね！」
「本当にきまぐれだね」
「石田はねぇ、コメントに困るわよね」
「なんで選んだの！？」
「昨季の活躍からセットアッパーの役割を期待されながら、開幕から悉く裏切ってきたからね」
「コースを狙って四球を出して打たれて、ってパターンだったね」
なぜその打者相手にそこまで慎重に！？
と思えるようなところもあった。
その後抑えていればまだ変わったのかもしれないが、毎試合、同じように失点していた。
「巨人戦の連敗、ヤクルト戦の連敗、いずれも石田だけじゃあないけれど、投げ切れていれば、って思っちゃうものね」
「なかなかうまくいかないもんだね」
「それだけ、年をまたいで連続で結果を残すのは難しいことなのかもしれないけれど」
「それができると思っていただけにね」
ルーキーや、昨年一年だけ出てきた選手というわけではない。
その前まで先発や中継ぎで力も見せてくれていた。
「二軍調整もしたけれど、あんまりよくなった感はないけれどね」
「なんとか復活してくれないとね」
左腕ではエスコバーと砂田の登板がかさんで負担が増えている。
櫻井が少し良くなってきたが、信頼度はまた高くない。
「こうなると今季の復調は厳しいかもね。昨季の康晃パターンか」
「必要な選手だから、後半戦、あるいはまだ来季に向けて取り戻してほしいね！」
「這い上がってきなさいよ、健大！」
「先発でもよいですよ！」
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