「正式発表きたわね!」
結乃の声が弾んでいる。
「琢朗さん、正式にコーチ就任決定! わー!」
拍手する理衣。
やはり巨人のシーズン終了をもって発表された、石井琢朗のベイスターズコーチ就任の情報。
加えて、相川もコーチ招聘に動いているとか。
フロント陣の本気を感じる。
「これで来季の陣容は・・・」
監督:三浦
ヘッド:石井
打撃:鈴木
投手:斎藤
バッテリー:相川
「ってことかしらね!」
「豪華!」
「あとは内野守備走塁、外野守備走塁ね」
「そこに誰か良い人がいればよいけれどね」
今のところ思い浮かばない。
が、内野守備走塁は石井がヘッドとあわせて全体を見られれば、という気がしなくもない。
石井がコーチをうまく指示して、コーチが選手を指導する。
それである程度はいけるかもしれない。
「しかしこのコーチ人事は、フロント陣の頑張りはもちろん、やっぱり三浦がこれまで横浜一筋で頑張ってきて、人望もあるからでしょう」
「悪い噂を聞かないもんね!」
「監督としての手腕は正直分からないけれど、神輿として担がれる、神輿として担ぎたいと思われるのも立派なことよ!」
「みんな、三浦さんを胴上げしたいもんね!」
少なくともファンは、暗黒期もFAで出ていかず、ずっと一人で投げ続けてきた三浦を男にしたいと思っている。
年上の98年戦士達も、ベイスターズの再建もそうだが、三浦だから支えてやろうという思いもあるのではないか。
「とはいえ、野球をやるのはコーチじゃなくて選手だからね! 選手がどう変われるかよ!」
「とにかく、キャンプから楽しみだね!」
「春季キャンプは見学できるとよいけどね!」
「みにいきたいです!」
コロナの第六波も恐れられているが、このままの状況ならキャンプも例年通りに見学できそうな感じにはなった。
色々と今から2022年が楽しみですね!