2020年振り返り #14 勝ちパターンの何でも屋で大きな貢献 石田 健大
「石田かー」
渋い表情をする結乃。
「厳しいシーズンだったね!」
理衣が目をバッテンにしていう。
色々と非難を浴びたシーズンであった。
#14 石田 健大
当番試合 : 33
投球回数 : 37 2/3
防御率 :5.73
勝利 : 1
敗北 : 2
セーブ : 0
ホールド : 2
奪三振 : 39
「数字だけ見ても、今季はだめだったってのが分かるわよね」
「昨シーズンと比較しても軒並みさがっているもんね。防御率なんか2倍くらい」
「数字もそうだけど、それ以上に打たれた場面も悪すぎたわよね」
「印象がね」
20年シーズンは大車輪で活躍してくれた。
当然ながら今季も期待され、開幕後はセットアッパーの立ち位置だった。
しかし、巨人、ヤクルトとの開幕6戦であっという間に崩れ去った。
「役割的に重要な場面、勝ち試合、僅差のところとかで出てくるんだけど、ことごとく失点!」
「審判の判定に泣かされたとかもあったと言われているけれど・・・」
「だとしても、打たれすぎでしょ。あの6戦できっちり石田が抑えられていれば、2、3勝はできていてもおかしくなかったわよ」
「だからこそ、連敗が続いたんだろうけどね・・・」
勝負ごとにたらればを言っても仕方ないのはわかる。
それでも言いたくなってしまうのが人の心。
「つーことで今季は15点よ!」
「厳しい評価!」
「仕方ないでしょ。でも、見捨てるわけじゃないからね!」
今季の結果を受けて来季、果たして中継ぎでやるのか、先発でやるのか。
今永、東が開幕からいることも考えると、石田は中継ぎで頑張ってほしいが。
「本人には悪いけれど、セットアッパーよりも以前のように便利屋的なところで投げてくれた方がよいかも」
「そこで結果を出していたもんね」
「ロングリリーフもできるし、6,7回だったり、試合状況で8回に投げたりとか」
「なんとか本人が力を出せるようにしたいよね」
今までもきちんと結果を出した年もあり、一軍の力はある。
もちろん課題もあるし、そこは乗り越えていく必要はあるが。
「石田は考えすぎなんじゃない? 短いイニングを全力で抑えきることだけを考えてやったらよいのに」
「そこまで細かい制球を考えなくても、ってことかな」
「まー確かに球威がめちゃくちゃあるわけじゃないけれど、でも全くないわけじゃないし」
「その辺は新しい投手コーチにも期待だね」
石田が便利屋をやってくれるとチームとしても有難いはず。
本人も今季の成績で終えるつもりはないだろう。
「22年はリベンジを期待しているわよ!」
「待ってます!」