2021年振り返り #36 一軍には帯同も出番は激減。厳しい立ち位置 髙城 俊人
「横浜に戻ってきて2年目、高城」
腕組みしていう結乃。
「なんとか食い込みたいね!」
拳を握りしめて理衣は言う。
2021年の成績はこちら。
#36 髙城 俊人
出場試合 : 7
打数 : 4
打率 :.250
安打数 : 1
HR : 0
打点 : 0
盗塁 : 0
「かなり寂しい成績ね」
「うーん、少ないね」
「試合には殆ど出場できなかったし、出場した試合の内容もそれほどでもないし」
「厳しいね」
「という割には、一年の多くを一軍帯同しているのよね」
「出場はこんなに少ないのにね」
「いわゆる三番手捕手として控えていた、というところよね」
「そこは評価されるところ?」
もちろん評価もあるが難しいところである。
一軍で3番手の捕手は、ほとんど出番のない、緊急時用のためのメンバーである。
若手だったら、出場しないくらいなら二軍で出場させて経験させた方がよほどよい。
なので、どちらかというとベテランが収まる枠だとは思うが。
「横浜にはそういう捕手がいないからね。そうなると高城に、となっちゃうところはあるわよね」
「2番手、3番手捕手を同じくらい試合に出させる、というのは」
「それは中途半端よね。ただ一軍に帯同したのは、ベンチ内での声かけとか、そういう姿勢も含めて選ばれているとは思うけれど」
「昔からそういうところは良いって言われていたよね」
とはいえ、それで満足してもらっていても困る。
年齢的にも30近くなり、脂の乗りきる頃。
立場的には厳しいが、さらなる上を目指したい。
「数字があれだけど、1軍帯同のことを踏まえて35点くらいに・・・」
「難しい立場の選手だね」
「チャンスは少ないだろうけれど与えられるはず。そこでどういう姿を見せられるかね」
「打撃が凄い上達! とかあるとね」
「強肩強打の凄いやつ、だからね」
捕手というポジション的になかなか戦力外にはならないが、崖っぷちに変わりはない。
なんとかもう一度這い上がる姿を、ファンは期待しているぞ!