「今年もやりました、『2021年もありがとうベイスターズSP』!」
結乃が笑いながら言う。
「年末恒例だね!」
理衣も楽しそうに言う。
最下位に終わった2021年シーズンだが、それでも番組は変わらない。
TVKの吉井アナを筆頭に。
荒波さん、村瀬さん、吉川さんのおなじみのメンバー。
番組前半は、2021年を振り返り。
「いつもは10大ニュースみたいな感じで10あげていた気もするけれど今回は5つだったわね」
「さすがに時間が足りないんじゃない?」
「最下位でもポジティブにやるわよね」
「でも途中、山崎投手、三嶋投手のところは・・・」
「あれを見せられるのは辛いわねぇ」
という振り返りだったが、やはりメインは後半。
ゲストに、斎藤隆!
「隆への質問とその回答が良かったわね!」
「色々なことが聞けたもんね」
「その中でもやっぱり、このタイミングでコーチとしてベイスターズに復帰するに至ったところよね」
「あれは……ね」
神妙な感じになる。
「ベイスターズを出るときに「戻ってきても良いか」と訊いたら「自由にしていい」と言われた。俺もう要らないんだ、帰るところがなくなったぞと思って、それがずっと引っ掛かっていた」
「やっぱりTBSかー!!!」
「選手にこういうことを思わせちゃったわけだね」
人間だから、やっぱり人と人であり、心がある。
どのように送り出すか。
また、どのように感じ取るか。
そこは大きいだろう。それは野球選手に限らず、サラリーマンなどの会社に対する気持ちだってそうだろう。
「なんで、そういう言い方しかできなかったのかね」
「そのときには是非戻ってきて欲しい、いつでも待っている、ってね」
「それでもようやく、その引っ掛かりが取れて、こうして戻ってきてくれたのは嬉しいわね!」
「進藤さんも、前から声はかけてくれていたんだね!」
「あとは、同期入団の三浦のこととかね」
「最後まで練習、最後まで走っていたというのはよく聞くけれど、同期の斎藤さんから聞くとまた違う感じだね」
「斎藤肇とか懐かしかったわね」
ただ、そういう姿を実際に見て知っていたからこそ、彼らもコーチとして戻ってきてくれた、というのはあるはず。
人は、人を見る。
「でも一番面白かったのは木塚、中野渡のくだりね」
「面白かったねー!」
「昔からのファンじゃないとわからないわよね」
「斎藤さん、楽しそうだった!」
やはり古巣のベイスターズであり、TVKということもあったのか。
「また最後、村瀬さんが言っていた、最下位に終わった三浦ベイスターズのもとに、かつての98年戦士達が戻ってきて、っていうところ」
「みんな、考えることは同じだね!」
「これにドラマを感じないわけがないわよね」
「でも斎藤さんも言っていたけれど、コーチばかりが目立っちゃだめだよね」
「そらそうよ、プレイするのは選手! とはいえ、昔からのファンならどうしても、ね」
優勝から、一人、また一人と、球団から追われるように去っていくV戦士達の姿を見てきたからこそ、思うわけで。
その間もチームが強ければまだしも、どんどん弱くなっていって、98年以来優勝もしていないわけで。
そこにドラマを見つけてしまうのは人のサガか。
「小園も楽しみだし、本当、とりあえず早くキャンプを見たい!」
「有観客で開催できるか、だね」
何はともあれ、楽しい番組でした!