2021年振り返り #64 戦力外、育成から這い上がりで1勝! 宮國 椋丞
「巨人を戦力外、育成契約から支配下になった宮國ね」
腕組みしながら結乃が言う。
「チームにもなじんで、1軍で勝利もあげました!」
拍手をしながら理衣が言う。
横浜での1年目の成績は以下の通り。
#64 宮國 椋丞
登板試合 : 3
投球回数 : 16
防御率 :6.19
勝利 : 1
敗北 : 1
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 14
「古巣の巨人戦での勝利が感慨深い感じね」
「しかも相手は菅野投手!」
「まー、それだけでも価値はあったかも。ということで支配下登録になったし60点ということで」
「上積みはなし?」
「年俸も現状維持だし・・・1勝だし・・・」
巨人で初めて登場したときは、これまた凄い若手が出てきたものだと思った。
当時、横浜戦で登板された時は全く打てなかった記憶がある。
それから色々あったと思うが伸び悩み、巨人を戦力外になって。
まさか横浜に来るとは思ってもいなかった。
「ただ21年は先発が苦しかった事情もあるからね。22年はまた違うわよ!」
「今永投手、東投手が戻ってきて、ロメロ投手も開幕からいるからね」
「競争は毎年のことだけれど、どんどん厳しくなるからね!」
「頑張って欲しね」
戦力外からの契約だから、当然ながら優先度は低くなろう。
キャンプ、オープン戦でガンガン結果を出してアピールしないと、立場的には楽ではない。
「二軍スタートだとしても、二軍で好成績を残して一軍チャンスがきたときに推薦される状態になっていないと、だからね」
「常に勝負、だね」
「基本は先発でしょうけれど、状況によっては中継ぎの可能性もあるかもね」
「中継ぎは毎年、大変だもんね」
どこでも投げられるなら、投げる。
そういう立場であろう。
「一度死んだ身、死ぬ気で頑張れ!」
「私たちは相手球団として良い所を見ているしね」
「本当、あの輝きは戻らないかもしれないけれど、それだけの力があったのは事実なんだから」
他の戦力外選手にも希望を与えられる。
そういう意味でも、まずはチームの戦力になることを目指して。