「5月反抗の叫びがむなしくなるわね」
曇り空を見上げながら、結乃が寂しげに言う。
「本当にここまでねぇ・・・」
隣に立ち、同じように空を見つめて理衣も言う。
大田が登録抹消になる模様。
これで外野は全滅だ。
「ソトもスタメンで出場できるか分からないしね。宮崎は復調してきているみたいだけど」
「本当に牧選手だけになってきたね」
「前にも言ったけれど、4番牧にこだわる必要ないわよ。だって牧の前にランナーたまらないし」
「う、うーん」
「初回、必ず打席の回る3番に置いた方がよくね?」
「ど、どうなんだろうね?」
1番に楠本。
2番に・・・え、誰かいる?
そんな状況下で牧を4番に固執させる必要はない。
「そうね、思い切って、昇格してヒットを打った蛯名あたりで2番を試して、3番牧、4番に宮崎(復帰前提)」
「前に倒すわけだね。あとは大和選手とか?」
「ただ、大和は2番とかだとあんま機能しないからねぇ」
「悩みどころばかり!」
そもそも、誰をスタメン起用するよ!?
状態であるからなぁ。
「投手陣も、ロメロ、坂本、東あたりは、もうローテ外して2軍調整させたいんだけど」
「代わりにあげる人がいないと」
「今週は遠征もあって5試合だから今のメンバーでいって、来週あたりから誰か戻ってこれないかしらね」
「あとは有吉投手を試すか、だね」
ここで、試したい若手の名前が出てこないのが悲しいところ。
「外野はいっそ、育成契約の3人を使ってみたいくらいよね」
「それには支配下登録されないとね」
「投手だって、石川とかだめなのかしら?」
「チームの判断だからね」
と、そんなことを言いたくなるくらいである。
京山や阪口など、このチャンスに名前すら出てこないようではしょうがない。
「とりあえず、恥をかかない程度の試合にしてほしいわね」
「志が低い!」
そういう風にも思っちゃいそうになるのでした。