「6連勝、そしてハマスタ17連勝だけど、苦しい戦いはこれからよ!」
結乃が気合を込めて言う。
「8月は絶好調だけど・・・」
理衣は首を傾げる。
8月は日曜日に2回、負けただけ。
首位ヤクルトと4ゲーム差までに近づいてきたけれど、ここまでは運の良さもあった。
「コロナで主力を欠いた阪神戦、広島戦があって、さらに試合の中でツキもあって、っていう色々と重なっていたからね」
「でも、それだけじゃ勝てないよね」
「もちろん、先発が踏ん張って、打撃陣も好機を活かし、守備ではミスを少なくして、中継ぎが踏ん張ってと、そういうすべてがあってよ」
「選手たちの頑張りは間違いありません!」
それでここまでやってきたわけだが、この週が厳しい6連戦。
コロナでオースティン、大田、大和を欠いて手薄な代打陣に、疲労も見える中継ぎ陣を抱えて迎える、3位阪神、首位ヤクルトとの戦いだ。
「なんたって、魔の京セラドームで、青柳、伊藤と表ローテの阪神戦だからね。この前の横浜スタジアムのようにはいかないわよ!」
「しかも、大山選手、近本選手、中野選手も復帰してくる!」
「巨人を3タテして、阪神も4連勝で待ち受けているからね」
「もともと、先発投手陣は強力だもんね・・・」
広い京セラドームでは一発もなかなかでないだろう。
走力では阪神の方が上回るし、投手力の強いチームに有利な球場。
そして、前回の借りを返そうと阪神だって気合をいれてきているし、2位の座を狙ってくる。
何より、ベイスターズファンなら京セラドームで試合と聞いただけで嫌な気持ちになるだろう。
「とにかく初戦、今永! ここで全力を注ぐくらい、チーム全体で束になって勝ちに行くのよ!」
「打線はどうするかな、この前みたいに左打者を並べるのか・・・」
「宮崎とソトをどうするかね。二人とも調子は悪くないし・・・」
「悩みどころだね!」
夏場になってやや調子を落としている青柳も、ドームならまた良くなるかもしれない。
伊藤は、青柳以上に打てていない。
どうしても先発の今永、濱口の踏ん張りにかかっている。
「ここをどう切り抜けて週末のヤクルト戦に臨むか、ね!」
「勝ち越したいね!」
「ヤクルトも、森下、九里の広島表ローテとぶつかるし、苦しいわよね」
「なんとかくらいついていきたい!」
「別に青柳、伊藤をKOする必要はない、チームとして勝てばよいのよ!」
「そのためにも束になって!」
「不安は、伊勢がかなり疲れていそうなところね」
「ほかの投手と分担して、なんとか乗り切って欲しいね!」
青柳に強い神里をそろそろあげてくるのか。
どちらにしても、1試合1試合、目の前の試合に力を注いでいきましょう。
とりあえず今永には8回くらい投げてほしいですね。