2022年9月20日 阪神
結果:横浜5-4阪神
敢闘選手賞:上茶谷、楠本
「おおお、8回時点では打撃陣に文句言うつもりだったわよ!」
結乃が胸をなでおろす。
「9回に逆転しての勝利です!」
理衣が拍手する。
なんとも冷や汗である。
というか、一度は負けを覚悟した。
1点リードの8回裏にエスコバーが打たれて3点を取られ、逆に2点のビハインド。
今シーズン、この手の展開で跳ね返せた記憶がない。
「1点リードじゃ、いつも勝ちきれないわよ」
「エスコバー投手も打たれる時もあります」
「上茶谷が5回1失点と踏ん張って、6回から勝ち継投に入ったけれど、一人くらい打たれることもあるってね」
「だからエスコバー投手は責めません!」
責めるべきは、それまでにチャンスを逃していた打撃陣。
ランナーを3塁に置いて、犠牲フライや内野ゴロでも追加点を奪えなかったのだから。
「ところがどっこい、9回にまさかの反撃!」
「スタメンを外していた宮崎選手から打順が始まったのが良かったかもね」
「そして代打で阪神戦に相性の良い大田が残っていたのもね」
「ランナーをためて、桑原選手が意地のタイムリー!」
この試合、先頭打者として役割を果たせていなかったが、最後に見せてくれた。
「更に代打のソト! が三振してツーアウト、万事休すかと思ったけれど」
「佐野選手が4安打目の同点タイムリー!」
「3回に打てなかったけれど、ここで打ってくれたわね」
「ずっと打撃の調子が悪かったけれど、これでまた上向いてくれるといいね!」
そして牧が四球で、青柳対策で5番に入るも結果の出ていなかった楠本。
「勝ち越しタイムリーよ!」
「やりました楠本選手!」
「9回裏、いきなり牧がエラーしたときはどうなるかと思ったけれど、そこをカバーする康晃!」
「頼もしいです!」
絶体絶命の土壇場からの逆転勝利。
CSを、2位を目指すうえで非常に大きな1勝だ。
いや、今はどの試合の勝利も大きいが。
「阪神、広島が負けたからね、ヤクルトも負けたし」
「でも、これでまたすぐ横浜に戻って試合だもんね」
「こればかりは分かっていたことだし仕方ない!」
「週末は雨で中止になりそうな感じもあるし、頑張って欲しい!」
「まあ、中止が良いわけじゃないけれどね・・・」
エスコバーこそ打たれたが、この勝利で勢いにのっていきたいですね。
「さあ、ガゼルマン、前回の登板がまぐれじゃないところみせてほしいわね!」
「打線は早い回で援護を! 勝ちパターンの皆が投げているからね!」
相手のシューメーカーは長いイニングを投げるタイプではないし、ずっと勝てていない。
ここは是非、勝っておきたい!