「筒香がレンジャーズとマイナー契約したことが発表されたわね」
結乃が腕組みをして言う。
「どうなるか決まらない中、まずは一安心だね」
結乃も胸をなでおろしている。
メジャーの壁にぶちあたり苦戦している筒香。
複数球団を渡り歩くも結果が出ず、去就も決まっていなかったところへこのニュースである。
【MLB】筒香嘉智、レンジャーズとマイナー契約を発表 キャンプ招待選手で参加へ
「ただ、安心できるわけじゃないわよ。あくまで、キャンプへの招待選手としてだからね」
「そこで結果を出さないと、切られちゃうかもなわけだよね」
「そういう立場だってことよね」
「実力と結果の世界だもんね」
外からは、日本に戻ってきた方がよい、日本ならまだまだやれる、なんて声も多く聞こえるが。
それは、筒香が決めることである。
「外野には言わせとけばいいのよ。筒香が何を求めてメジャーにいったかよね」
「小さい頃からの夢だったわけだもんね」
「諦めて日本に戻るのはいつでも簡単にできるわけだしね」
「一度日本に帰ったら、もうメジャーには行けないだろうしね」
「もちろん、この先もメジャーで結果が出ず、その後に日本に戻ったとしてその時は日本でも・・・なんて可能性があるのは確かよ」
「でも、それだって筒香選手は分かっていて決めたことだもんね」
お金のことや、一軍の試合に沢山出場する、ということを考えれば日本の方が良いのかもしれない。
そう言った諸々のことを考えても、まだメジャーに挑戦したい、まだいけるという思いが強いのだろう。
「あたしたちとしては、応援するだけだからね」
「そうそう、そう簡単に諦められる夢じゃないってことだよね」
「外からみたら、失敗とか、みっともないとか言うのかもしれないけれど、諦められないそれだけの夢を持ってあがくのだって良いじゃない」
「その夢がかなうことを、私たちは応援します!」
夢という点では、メジャーに挑戦し、試合に出た時点である程度は叶っている。
そこで活躍するという更なる夢に向けて、筒香は挑戦し続けるのだろう。