「さあ、開幕3連敗スタート!」
結乃が意気揚々として言う。
「なんで元気なの?」
理衣が首をかしげる。
「そうでもなきゃやってられないわ! ってことで開幕3連戦を振り返ってみるわ!」
「敗戦を次に活かさないとね」
■投手陣の崩壊
「まあ、連敗の一番の要因はこれよね。先発投手が3試合とも5回もたず序盤で交代じゃあ、勝てる内容なわけがない」
「中継ぎ陣も多く登板することになるしね」
「今永、大貫がいない中、オープン戦で結果を出した今のローテ陣でスタートすることに異論はないけれど、結果が出ないとね」
「次の3人に期待しましょう」
「ていうか、誰も彼も四球出しすぎ! ゾーンの中で勝負じゃなかったの!?」
「3試合で18個だっけ? 多すぎだよねぇ」
昔に戻ってしまったかのような投球で、打者との勝負以前の話か。
開幕カードから押し出しまでやらかして、見ている方もやる気をそがれる。
「今の投手陣でしばらくはいくしかないんだから、気合入れなおせ!」
「誰かが良い投球を見せてくれると、連鎖的にいくかもだね」
■打順とスタメンの謎
「多く言われているけれど、1番佐野、2番宮崎よね」
「もちろん、色々なデータとか考えがあって起用しているんだろうけれど・・・」
「でも佐野と宮崎が出塁したとして、誰が返すの? 2022年のチーム内打点2位、3位、HR数の2位、4位よ!?」
「チームトップの牧選手が不調だしねぇ」
「ソトも年々悪くなっているし、返せる感じがしない。実際、佐野と宮崎の出塁率は4割超えているけれど、牧の打率は1割達していないし」
「WBCから調整もできていないしね」
「この3連戦でも結局、宮崎一人で5打点で、ソトが2打点だからね。下位で作ったチャンスを宮崎が返す、というのが出来ているといえば出来てるけど」
「佐野選手、宮崎選手の得点は二人あわせて3だもんね。二人が出塁しても返せていないわけだね」
WBCから牧は明らかに調子がよくなかった。
それでも牧を4番で起用すると決めたのならそれでも良い。
過去2年、牧がいたからチームは勝てていた実績と信頼があるのだから。
「だけど調子が悪いんだから、調子のよい佐野や宮崎を前か後ろにいれることで牧のプレッシャーを減少させるべきじゃないのかしら?」
「村上選手もWBCでは5番に下がったしね」
「桑原と京田も状態は今のところ悪くなさそうだし、普通に並べれば良いのに」
「多くの人がそう思っていそう・・・」
1番 桑原(センター)
2番 京田(ショート)
3番 佐野(レフト)
4番 牧(セカンド)
5番 宮崎(サード)
6番 戸柱/伊藤(キャッチャー)
7番 ソト(ファースト)
8番 xxx(ライト)
「こんな感じでどう? ライトが悩みどころで6番以降の打順に悩むけれど」
「打撃の調子も悪くない戸柱選手、伊藤選手を前に出したんだね」
「まあ、当面はソト6番にして逆でもいいけれど。ライトは今のところ状態の良いのがいないからね」
「チャンスなのに!」
「でもまあ三浦も結構頑固そうだし、しばらく変えないかしらね。でも選手起用といい戦術といい、なんか1年目からセンスを感じないというか・・・」
「ちょ、それ言っちゃっていいの?」
「仕方ない、そう感じるんだから。いや、作戦担当は別なのかもしれんけれど、最終決定は監督だしね」
「結果が出ないとそう言われちゃうよね」
2位だった2022年シーズンも同様に感じてはいたが、2位という結果を出していた。
果たして2023年シーズンはどうなるか。
開幕3連戦の指揮を見る限り、不安しかないのだが・・・
「キャンプからなんか緩さは感じていたけれど、シーズン始まっても怠慢は続くしねぇ」
「言い訳もないね」
「速攻、2軍に落としてチームを引き締めるとかすればいいのに」
とまあ、連敗しているから文句も出る。
勝ちまくってくれれば、そういうのもなくなるので、頼みますよ。