2023年振り返り #7 代打も送られた悔しいシーズン。打撃を取り戻せ 佐野 恵太
「佐野も不本意な成績のシーズンだったわね」
結乃が渋い表情で言う。
「本人も苦しかっただろうね」
理衣も神妙な表情で言う。
成績は以下の通り。
＃７ 佐野 恵太
出場試合 ： １４１
打数 ： ５６０
打率 ：．２６４
出塁率 ：．３２３
安打数 ： １４８
ＨＲ ： １３
打点 ： ６５
得点 ： ６７
盗塁 ： ０
ＯＰＳ ：．７１１
「佐野じゃなければまあ、頑張ったと言いたいところだけれど」
「求めるところは高いものね」
「守備が下手で足が遅いから、やっぱり打撃でかなりの成績を残してくれないと困るのよね」
「うーん」
求めるのは打率３割。
中距離打者だからホームランは１５本前後だとしても、打点を稼いでほしい。
それも、できれば良いところで打ってほしいのだが。
「正直、ここぞの場面で打ってくれた記憶が殆どないのよね」
「チャンスに弱い、ってのは良く言われていたよね」
「得点圏は．２６７だから、良くはないけれど極端に悪いわけでもないんだけど」
「得点圏で打つというよりも、重要な場面で打てるか、だよね」
牧がここぞの場面で打ってくれている記憶が強いのに対し、佐野はそういうのがない。
強引に引っ張ってのセカンドゴロ、というのが佐野らしい打席とみられてしまっているような。
「ちゅーことで４５点というところで」
「辛い点数だね」
「難しいところだけれどね。これで合格点は出せないから！」
「これもキャプテンの重責ですか」
シーズンの最後には怪我もあった。
２０２４年は開幕から大丈夫と本人は言っていたが、果たしてどうなるか。
「まあ、期待されて、キャプテンもあって、開幕戦では宙づりになってと、大変なのはわかるけれどね」
「本人も責任は感じているだろうね」
「そろそろキャプテンは変えてもいいと思うのよね。楽にさせたらどうかしら」
「牧選手の時に言っていたね」
若い牧にキャプテンをやらせ、周りがサポートして盛り立てる。
それでも良い気はするが、果たしてチームはどうするか。
「色々と文句は言われても、佐野にやってもらわないと困るんだから、ね」
「そうそう、悪い時もあるけれど、そこからまた上がっていきましょう！」
「外野の争いもね、怪我もあったしレギュラー確約とか思わないように！」
「また一からの気持ちで、ね」
２０２４年はまた首位打者争いしましょう。
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