2024年5月11日 阪神戦
結果:横浜11-9阪神
敢闘選手賞:京田、蛯名、筒香
「いやー、こんな試合もあるもんね」
呆れたように結乃が言う。
「序盤はもう、どうなるかと思ったけれどね」
理衣はまだ興奮冷めやらぬといったところ。
先発の中川颯が打ち込まれ、3回を終えて2-9と7点のビハインド。
ここで諦めそうなファンも多かったと思うが、選手はくらいついた。
「正直、相手が苦手な伊藤将だったから無理かと思ったわよ」
「そうなるよね」
「ところが相手のエラーにもつけこんでまずは序盤にコツコツ点を返す!」
「それが最終的にはきいたよね」
2回、4回には相手のエラーからのチャンスで、内野ゴロで得点。
これだけ点差があると、相手からすれば失点してもアウト一つ増やした方が良いと思うところ。
しかし、その2点が勝ち越し点につながっているわけである。
「そして伊藤将の勝利投手がかかった5回、佐野のタイムリーに京田の走者一掃2ベースで一挙に4点!」
「これで2点差、分からなくなってきました!」
「伊藤将も降板して中継ぎ勝負、先に失点しなければ勝機はアリ、よ!」
「その通り、中継ぎ陣が踏ん張りました!」
点差のある状況で登板となった坂本、三嶋もきっちり相手を抑えた。
2点差になってからは徳山、山崎と、勝ちパターンに入る投手も登板した。
それがようやく実ったのが8回である。
「正直、6回の無死2塁とか、7回の1死1、3塁のチャンスで点が入らなくて、ダメかと思ったりもしたわ」
「だけど終わりません、8回、代打の桑原選手が四球を選ぶと、この日は1番に入った蛯名選手が同点2ラン!」
「今、チャンスを掴んでいる蛯名だけれど、これは良いところで打ったわよね!」
「これで試合は振り出しに、勢いは俄然、横浜に!」
「こういう時に打ってほしいと思う男、筒香が勝ち越しのソロHR!」
「復帰戦もそうだけれど、ここでというところで本当に打てるのが凄いよね」
「まあ、その前に色々凡打はしているけれど。てかこの日はやっぱ同点弾の蛯名よね」
「しかもこの後、牧選手にもHRが出て1イニング3HR!」
まさかの7点差大逆転。
最後は初戦に悔しい思いをした森原がきっちり締めて勝利。
「こういう試合、久しく出来ていなかったけれど、昔はこんな試合を結構見せてくれていたのよね」
「懐かしい気すらするね」
「思い返せば巨人戦、多村のサヨナラ3ランの試合とかね」
「逆転のベイスターズ!」
たまにはこういう派手な勝ち方もしてほしい。
こういう試合が出来るようになってきたのは、やはり筒香の復帰もあるのか。
「宮崎がさすがにこの試合はお休みだけど、練習には参加していたみたいね」
「病院で検査とか受けたのかな?」
「分からないけれど・・・サード出場した京田が5打点の活躍!」
「4打数1安打5打点って凄いね」
ともあれこれでどうにか阪神戦の連敗もストップした。
「さあ、もう一度5割に、大貫たのむわよ!」
「相手も強敵、才木投手ですが、この日の打線の勢いでいきましょう!」
勝って新たな週を迎えましょう!