2024年振り返り #29 ベテランとして精神的な支えも数字は寂しい結果に 伊藤光
「最後に肉離れを発症した伊藤光ね」
結乃が腕を組んで言う。
「言い方がなぁ」
理衣が苦笑いして言う。
ベテラン捕手として戸柱とともにベンチを温めることが多かったが。
出場した試合ではある程度の力をみせつつ、それでも衰えもあった。
精神的な面ではチームを支えてくれたとは思うが。
#29 伊藤 光
出場試合 : 39
打数 : 88
打率 :.205
出塁率 :.255
安打数 : 18
HR : 1
打点 : 14
得点 : 12
盗塁 : 0
OPS :.539
「やっぱ数字を見ると寂しいわよね」
「もちろん、山本選手の台頭があったわけだけどね」
「守備面での衰えはポジション的にある程度仕方ないけれど、打撃の数字もよくないからね」
「それでも、いつ出番があるか分からない中で準備をして、出た試合では精一杯やってくれました!」
戸柱も同じだが、山本が出てきたとことで控えとなることが多くなった。
それでも腐らず、戸柱とともにベテラン二人がバックアップにいるというのは大きかった。
「捕手だけにそうそう切られるポジションではないとはいえ、油断はできないわよ」
「松尾選手も力を伸ばしてきているしね」
「山本の次の選手たちの壁にならないとね」
「若手と競り合ってほしいね」
松尾、益子、上甲。
この辺の誰かが一軍でやれる力を付けてきたら、立場的には苦しくなる。
力をあげるのは難しいので、いかに経験でカバーしていくか。
「捕手としては肩がね、あれがきついわよね」
「抑止力ってやつだね」
「打撃面もこの数字じゃあ駄目よ。山本が打てるだけにね」
「打率とかだけじゃなく、打撃の内容で勝負したいね」
本来は粘りや出塁率で勝負するタイプ。
年齢と共に衰えてくるところではあるが、どうにか踏ん張って欲しい。
「チームとしては主力の山本の他に、一軍でスタメン張れる捕手が二人いるってのは強みだからね」
「それがあったから山本選手離脱後もやってこれたもんね」
「まだまだ老け込まずにやってほしいわ」
「ベテランの意地を!」
ベテランの存在は大きい。
戸柱と共に、まだ頼みますよ。