「さあ、いよいよ開幕を待つばかりになったわ！」
結乃が両の拳を握りしめながら言う。
「本当に開幕するねー」
理衣も感慨深げな表情を浮かべている。
「ということで開幕も迫り、練習試合もない今週、開幕予想よ！」
「を、毎度のこと！」
「今回は、先発ローテーションよ！」
「重要なところだね！」
「とはいえ、監督がほぼほぼ明かしちゃっているんだけどね」
「ま、まあ、それはそれとして」
「こうよね」
今永－ピープルズ－平良
濱口－櫻井－坂本
「おー、なんかフレッシュなローテーションだね！」
「といえば聞こえが良いけれど、不安も大きいわね！」
なんといっても未知数な投手ばかり。
今永、濱口以外があやしい。
「平良はまだしも、櫻井、坂本とか、それほどの結果を残していないしね」
「期待しての、だよね」
「それもこれも、東、上茶谷がいないから。なんでこう、ドラ１ルーキーは怪我ばかりするのかしら」
「ばかりってほどでもないよね、その二人くらいで」
山崎、今永は別に怪我とかしたわけではない。
あ、濱口がいたか。
「井納はこの前、それなりに好投したんだけどね」
「まずは若手でいって、いざという時にベテランの力を借りるってことかな」
「まあそうなんでしょうね。実績のあるベテランが残っていると思えばこそ、若手を使える部分もあるでしょうし」
「だからこそ、櫻井投手、坂本投手は思い切りいってほしいね！」
失うものは、本人立ち的には何もないのだ。
好投すればローテを勝ち取り。
ダメなら二軍で研鑽をつみ直す。
それだけ、といえばそれだけだが。
「でも今シーズンは試合数少ないからね、最初のつまずきは大きいわ。結果出なければ、早めに二軍入れ替えもあるわよ」
「まあ、それは確かにね」
「まあ、入れ替えられる投手がいるかどうかが問題だけどね！」
「辛口！」
期待されているはずの京山や阪口、それに大貫や飯塚あたりの名前が全く出てこないのがなんともである。
「こりゃ、今永と濱口に頑張ってもらって、あとは中継ぎ陣の負担よね････」
「厳しいシーズンはいつもだけれど、今年も厳しそうだね」
「そのブルペン陣について、明日は予想するわよ！ ローテはあまり考えるだけの余地がないもの！」
「そ、そういわないで！」
万全とは言い難いローテだが、チャンスを掴んだ選手は離さないように我武者羅に頑張れ！
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