「シーズン前、最後の練習試合よ！」
結乃が声を張り上げる。
「オープン戦が雨天中止になった分だね」
理衣も頷く。
実戦不足を最後に練習試合で少しでも解消できたなら良かった。
「練習試合なので、あまり結果が入って来ないんだけど・・・」
「試合は５－２で勝利！ みたいだね」
「結果もそうだけど、内容よね」
「スポーツニュースでは、山﨑選手の三者連続三振が載っていたね」
「ちゃんと内容のある投球で三振にとれているか、よね」
とはいえ、復調傾向にあることは間違いないだろう。
三浦も、山﨑－石田－三嶋、というのを考えているようだ。
「今季は９回打ち切りだから、７回からきっちり勝ちパターンを投入したいわよね」
「石田投手を挟むことで、左が入るのも良いよね」
「とはいえ、一年間ずっといくのはきついからね。やっぱりエスキーがいないと大変ね」
「連投になったとき、登板過多になったときは国吉投手、平田投手に頑張ってもらわないと！」
「打線の方は・・・どうやって５点取ったのかしら？」
「佐々木投手の押し出しと暴投があったみたい」
「相手の自滅か・・・まあ、四球を選べたと前向きに・・・？」
「とにかく、点を取ること、だからね！」
「えーと、その後は、関根のタイムリー、神里のタイムリー、倉本のタイムリー、か」
「送りバントに盗塁も絡めたみたいだね」
「関根と神里も必至ね。いいことよ」
「外野手、どうしようかね？」
少ないチャンスでなんとか点を取り、投手力で守り切る。
当面目指す野球が出来た、ということだろうか。
「まあ、最後に良い感じで締めてシーズンに入れるのは良いってことで」
「開幕戦、厳しい相手だけれど、そこを勝てればのっていけるかも！」
「勝つのよ！」
少しずつは、形になってきているのか。
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