「さて、首の皮一枚つながっている状態でまた連戦が始まるわ」
結乃が腰に手を当てて言う。
「常に正念場です！」
理衣が拳を握りしめて言う。
巨人に負ければその時点で巨人にマジックが点灯する。
巨人２連戦のあとは阪神２連戦で、負けられない戦いが続く。
というか、ここで４連勝することで優勝へのわずかな可能性が繋がる。
ここで負ければ、現実的には３位にシフトチェンジとなるだろう。
「巨人は菅野が投げてくれたのはありがたいけれど、ローテ通りならグリフィン、戸郷だからね」
「これまたキツイ相手だねぇ」
「２戦目、横浜はケイを中５日でもってくるか。でもそうすると次の阪神戦で投げる投手がいなくなるのよね」
「先発ローテが本当に・・・」
何せ東、ジャクソン、ケイの３枚しかいないのだから。
投げるとしたら濱口、上茶谷だろうが。
ただ、二軍で先発調整している三嶋という可能性もなくはない。
あるいは、いずれにしても短い回で降板もありえるので、誰かは第二先発として待機する感じか。
9/18（水） 巨人戦 ジャクソン
9/19（木） 巨人戦 濱口
9/20（金） 阪神戦 ケイ
9/21（土） 阪神戦 上茶谷
9/22（日） ヤクルト 吉野
9/23（月） ヤクルト 東
「うーん、ケイを中５日にして涼しいドームで投げさせ、濱口を阪神戦に回す可能性もあるわね」
「なんとなく、相性的に濱口投手は阪神さん相手の方が好投しそうな気も」
「かつては甲子園の阪神戦では好投していたけれど、それも昔の話だし。今回は横浜だし」
「上茶谷投手も、以前阪神さん相手に完封したような気も？」
「ただ現状一軍登録は上茶谷だし、巨人戦に上茶谷かしらねぇ？」
「一応、一軍もまだ枠は１つあいているからあげられるはずだけど」
とはいえ、大事なのは今である。
吉野もまだ抹消されていないということは、次も投げるのであろう。
ちなみに阪神はローテ通りなら高橋、才木と左右の二枚がやってきて、ここまた相当に厳しいマッチアップとなる。
「まー、ここで泣き言いってても仕方ないし、やるしかないわ！」
「そうです、勝ちましょう！」
山本祐大が骨折で今季絶望となったが、皮肉にもコレがチームに新たな力を生み出すかもしれない。
正直、巨人にサヨナラ負けを喫したり、東のＱＳが止まってＫＯされたり、中日に負けたり、勢いは止まっていた。
一度止まった勢いを取り戻すのは大変だが、
祐大のために
これを旗印にまた力を取り戻す可能性はある。
もちろん、気合や精神論でどうにかなるものではないが、残り十数試合となったところで精神的な部分が試合に大きく影響を及ぼす可能性もある。
「チームとしては投手陣が苦しいから、広島戦のように打線で相手を粉砕するしかないわ」
「ここにきて巨人さん、阪神さんも調子が良いからね・・・」
「それでもよ！」
「私たちも全力応援です！」
イースタンリーグでは６連勝して首位に立ち、優勝の可能性もある。
ファームの勢いも借りて、いきましょう！
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