2018年振り返り #26 苦しむ二年目も兆しあり。魔球チェンジアップは健在 濵口 遥大
2017年度、新人王は逃すも二けた勝利をあげた濱口。
2018年は、2年目の壁もあるだろうと、そこまで楽観視はしていなかった。
それでも、それなりに投げて8勝くらいはできるのではないかと考えていた。
「怪我の出遅れもあったけれど、出てきてからも苦戦していたわね」
「そうだよねぇ。そんなハマちゃんの2018年の成績でーす!」
渋い表情をしている結乃に対し、理衣は明るい振りをしてみせる。
#26 濵口 遥大
当番試合 : 19
投球回数 : 94 2/3
防御率 :3.90
勝利 : 4
敗北 : 5
セーブ : 0
ホールド : 1
奪三振 : 97
「なんだかんだ、100イニング近くは投げて、イニング以上の三振は奪っているわね」
「そうだね。シーズン後半は、少し調子も上がって巻き返しつつある感じもあったしね」
「まあ、完全にというほどではないけれど、そもそも2年目だしね」
濱口の場合、ルーキーの年に二桁も勝つとは思わなかったのが正直な所だ。
粗削りで、もう少し時間がかかると思っていた。
それが一年目から結果を残したから、期待が大きくなったというのもあるかもしれない。
「全般的には45点といったところね」
「やっぱり勝ち星が少ないから?」
「というより、1試合あたりのイニング数を伸ばしてくれないときついわよね。どうしても5回くらいだし」
怪我の影響もあったが、やはり球数を多く要する投手だけに、5回100球近くになってしまっていた。
「若手とはいえ、ドラ1だし、2年目になるし、先発ならイニング食って欲しいわよね」
「ただ、投球スタイル的に、すぐにっていうのは厳しそうだよね・・・・」
「だから、まずは安定して6回を投げ切る所を目指して欲しいわ!」
「侍JAPANにも選出されて、2019年は活躍してほしいね」
「何せ2018年はイメージが悪すぎるしね。特に、あの悪夢の広島戦! 連続押し出し!」
「あぁ・・・・」
「長年、野球を観てきたけれど、最悪レベルで酷かったわ!」
「長年って、私達まだ十代だけど・・・」
「あの試合は傷ついたわ! まさにガラスの十代よ!」
「だから、若者なんだけど・・・・」
結乃の嘆きは、球場にいた人なら理解も出来よう。
「高城選手がトレードで出ていっちゃったから、捕手の点でもちょっと不安だったよね」
「その点は、伊藤とならなんとかいけそうな感じよね」
強い球を投げる投手をリードするなら、伊藤もうまくいけそうである。
「荒れ球の投手は、捕手も重要だもんね」
「イケメン捕手、重要!」
「それはいいから!」
「でもさぁ、ハマちゃん、時と共に野生化しているように見えるんだけど・・・・?」
少し怯えたように言う理衣。
腕組みをしている結乃も頷いている。
「あの髭、そしてなんかどんどん色黒になっている気がするもんね」
「ハマちゃんは、もっとニコニコしている方が良いと思います!」
「そうね、マウンド上での態度も良くないものがあったし、そこはもっと大人になって修正してほしいわね」
色々な意味で粗削りな濱口。
そこが持ち味とも言えるが、良い点は残し、悪い点は改善していってほしい。
DeNAにはあまりいないタイプの左腕投手だけに、その味を活かせ。