「キャンプも終了ね！」
結乃が万感の思いを込めて言う。
「うーん、あっという間だったね」
理衣も感慨深げに言う。
「ってか、観に行っていないのに終わるなんて！」
「こればっかりはねぇ」
「ああもう、２年連続とか信じられない！」
「来年こそは、ね」
コロナで想定外の事態に陥った選手もいたが、昨年に比べれば外国人選手も参加し、精力的なキャンプが送れたのか。
特にコーチ陣の変化により、当然のように練習内容にも変化が出ているわけで。
「何度も言うけれど、成果が出るかどうかはペナントが終わってみないとわからないんだけどね」
「それでも、変わっていかないと、というチームの思いが出ていたよね」
「最下位のチームが昨年と同じ事やっていて勝てるわけもないってね」
「競争も今まで以上に激しく、だね」
- 若手では知野が猛アピールした。
- ルーキーの梶原も見せた。
- 新加入の大田も結果を出した。
一方で、今永、佐野という投打の主軸が離脱の事態もあった。
「今永と佐野の離脱は痛いけれど、そこをカバーできるようにならないとね」
「投手でいえば先発復帰の石田選手、そして東選手がいるしね」
「ルーキーの徳山、三浦も、どこまで入り込めるかね」
「今永選手には焦らないで欲しいけれど、本人は焦るかもね」
「再発したら意味ないから、そこは本人もわかっているでしょ」
「外野手ならそれこそ大田選手が入って、ルーキーの梶原選手、更に神里選手とか色々名前があがるからね」
「佐野からレギュラー奪う気持ちでやらんとね」
そうしていよいよオープン戦が始まる。
開幕まで一か月。
「野球が始まるわよ！ でも、来年こそキャンプに行きたい！」
「自由に移動できるようになりますように！」
なんとももどかしいキャンプの一か月でした。
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