「さてさて、今回はユキヤね」
ふむふむ、という感じで頷きながら言う結乃。
「勝負の二年目、だったけれど」
難しい表情をする理衣。
「結果はこちら!」
#4 伊藤 裕季也
出場試合 : 5
打数 : 14
打率 :.286
安打数 : 4
HR : 0
打点 : 1
盗塁 : 0
「ルーキーの年は一軍デビュー後、なかなか派手な姿を見せてくれたけれど、そう簡単にはいかないわよね」
「試合数が如実に語っているね」
「今季はオープン戦からさっぱりだったからね、2軍スタートも致し方ないけれど」
「その2軍でも当初は苦戦していたよね」
まったくヒットが出ず、本人も悩んでいたかもしれない。
守備が安定しないことが打撃にも影響していたのではないか、という話もある。
最終的に打率は.248、ホームラン7本と最低限、見られる形になったが、本人も納得しているわけではないだろう。
もちろん、周囲だって期待に届かないと思っている。
「求められるのは打てる内野手だからね、打たないことには!」
「プロに対応するのは大変だね」
「とはいえ、ドラ9の佐野だってプロ4年目であれだけ打っているんだからね、がむしゃらにやらないと」
「キャンプで一生懸命守備練習もしているの、見ているし、頑張ってほしい!」
守備はとにかく反復練習、実戦しかあるまい。
少しずつでも確実に上達していってほしい。
「打撃はね、シーズン終わりの中日戦でまとめて打ったように、少ないチャンスでも結果を出すしぶとさはあると思うのよね」
「色々と考えながら打席を過ごしている感じもあったしね」
「打撃がもっと向上して一軍で結果を残せれば、近い将来の三塁になってほしいわけよね」
「宮崎選手の後釜、ってことだね」
「二塁では、同じくドラ2で牧が入ってくるし、本人的には危機感しかないでしょうね」
ドラフト2位の強打のセカンド。
もろにかぶる守備位置。
もちろん、首脳陣はいずれサードコンバートも考えていると思うが、本人にしたら関係ない。
自分のわずか2年後に同じ立ち位置の選手を獲得したとなれば、焦らないわけがない。
「チームとしてはそういう狙いもあるでしょうね。やっぱり競争させないとレベルも向上しないと」
「与えられたポジションじゃなくて、奪うポジション、てことだね」
一軍では大和、倉本、柴田が二遊間。
そこを狙う二軍に、伊藤裕季也に加えて知野、森、田部、そして今2020ドラ2の牧。
どんどんレベルを上げて欲しい。
「現状、お世辞にも高いレベルとはいえないからね、森や田部は高卒でまだまだこれからとはいえ、伊藤裕季也は大卒だし本当に3年目が勝負のポイントよね」
「ここでレギュラー定着とまでいかなくても、いけそうだぞ、って思わせてほしいよね」
「期待されているっていうことだからね、死ぬ気で練習しなさいよっ」
やんちゃな感じで、練習時は茶目っ気も見せてくれる。
そういう姿を見ているだけに応援したい。
もちろん他の選手もだけど。