「ルーキーの浅田ね」
結乃が唸るように言う。
「高卒だから、まだまだこれからが楽しみだね」
理衣は穏やかに言う。
当然ながら1軍での登板はないので、ここは2軍の成績を載せておく。
#54 浅田 将汰
登板試合 : 11
投球回数 : 50 2/3
防御率 :4.09
勝利 : 3
敗北 : 2
セーブ : 0
ホールド : 00
奪三振 : 24
「高卒ルーキーの投手として二軍で50イニング投げたんだから十分でしょ」
「体作りからでもおかしくないもんね」
「とういことで60点ね」
「まあ、そういうことだよね」
「高校時代から決して有名な選手ではないかもだけど、これだけ起用されているんだから当然、球団としては期待しているわけよ」
「ドラフト下位だって関係ないもんね」
「投手は野手よりチャンスもあると思うしね」
「まずは二軍で結果を残せば、ね」
一軍で投げさせてみたい、そうファームの首脳陣に思わせられるか。
目標としては、まず3年以内に一軍登板、といったところか。
「色々言っているけれど、高卒投手が育っていないからね」
「頑張ってほしい」
「多少、投手のロマン枠的なところはあるけれど、だからこそ大化けするかもしれないしね」
「球威のあるストレートとキレのあるスライダー! 色々と磨く必要はあるだろうけれど、武器を持ってほしいね!」
「そう、これだけでも1軍に通用する! そう思わせるようなものがね!」
まだまだ未来は無限大。
とはいえ、近年は若手に対する見切りが早くなっているのも事実。
まずは、二軍でコレはと思うものを見せつけたい。
「近い将来、一軍で待っているわよ!」
「その日を楽しみにしています!」