「二軍では結果を残していた中川ね」
冷静に言う結乃。
「次は一軍で結果を出す番だね!」
張り切る理衣。
なかなか一軍の壁は高いが。
#93 中川 虎大
登板試合 : 3
投球回数 : 6 1/3
防御率 :7.11
勝利 : 0
敗北 : 1
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 3
「支配下にあがって2年目、初勝利はならず!」
「やっぱり1軍の壁はなかなか大変だね」
「そりゃそうでしょ。とはいえ、期待されているからこそ、登板もしているわけよ」
「そこで、なかなか2軍の時のような投球ができていないのかな」
2軍での投球を見たわけではない。
それでも2軍ではかなりの数字を残していたわけで。
「若いとはいっても育成からだからね、どうにかアピールしないとね」
「まずは1軍でプロ初勝利! だね」
「とはいえライバルも多いからね」
「京山投手、阪口投手、といった若手右腕だね」
「そこでまず勝ち抜かないとね!」
大貫、平良、濱口、上茶谷
この辺のローテほぼ確定の投手に次ぐ位置を目指す。
「1軍で通用するような、というか、コレという球が欲しいわね」
「持ち味はストレート?」
「とはいえ、甘く来れば打つのが1軍。実際、19年、20年とも3試合の登板で10イニングも投げていないのに、いずれの年も被本塁打が2本だからね」
「うーん、確かに!」
甘くなれば打たれる。
とはいえ全て甘くいかないなんてのは無理だし、制球を突き詰めるタイプでもないだろう。
となると、多少甘くなっても打ち損じてくれるような武器が欲しいか。
「育成から支配下にあがって3年目、育成の星になれるよう頑張れ!」
「そうだね。あれ、点数は?」
「えーと、50点くらいで」
「なんか適当?」
「そう思わせないような活躍を期待しているわ!」
「誤魔化した!」