結果:横浜1-1楽天
敢闘選手賞:濱口
「何やってんの最終回!?」
結乃が激怒して言う。
「本当に何があったんだろうね」
理衣も首を傾げている。
1-1の同点で迎えた9回表。
相手のエラーもあって無死満塁。
牧が三振で倒れて一死満塁となり、打者山下の時。
「神里が飛び出してアウトとか、なんじゃそりゃ!?」
「スクイズ? どちらかのサインミス?」
「まあ、あんなん出たら、どっちかのサインミスでしょうね」
「1点でも取れればねぇ」
あと一歩で勝てた。
負けなかったというより、勝てなかった引き分け、という感じが強い。
「三浦はなんのサインだったかは言わなかったわね」
「まあ、神里選手と山下選手、どっちのミスだったかわざわざ外に知らせる必要はないもんね」
「ちゃんと、チーム内で明確にして指導すること!」
「こういうことをなくさないとね」
野球が雑だといわれるところである。
「まー、相手も無死満塁で無得点があったから、お互いさまに思っているかもだけどね」
「確かにね。投手陣が1点で踏ん張ったんだけど」
「マー君の壁はまだ高かったか!」
「それより濱口投手が心配!」
7回、途中でマウンドを降りて治療に入り、結局は交代となった。
もし、濱口が離脱なんてことになったら、本当にどうしようもなくなるぞ。
「今、頼りになるのは濱口とピープルズだけなのになー」
「とりあえず、情報を待ちましょう」
軽症であることを祈るのみ。
足がつったということらしいので、肩や肘ではないし、肉離れとかでもないみたいなのでまずは一安心ではあるが。
「うーん、気を取り直すしかない! 相手も、勝てたはずと思っているでしょうし」
「初回とかも、オースティン選手の好守で助かったもんね」
「立ち上がりは悪い濱口の日だったけれど、あれで切り替わったわね」
「あとは怪我だけが・・・!」
色々とあるが、それでもパリーグ首位の楽天に1勝1分けで負け越しはなくなった。
3戦目は、ルーキー早川が待ち受けている。
「正直、左腕だし、一番打てなさそうな感じもするけれど」
「そう言わずに、打線が奮起して投手陣を楽にしたいね!」
「問題は、今永がどんな感じか、よね」
「復帰2試合目、どんな投球をするかに注目!」
なんとか、勝ち越しを決めたい!