「いやー、ソフトバンク、ロッテときつい連戦だったわねー」
結乃が汗を拭うようにしながら言う。
「それでも、なんと1つしか負けませんでした!」
理衣が嬉しそうに言う。
パリーグの上位勢との連戦。
ホームでDHなしとはいえ、なんとか5割でいってくれたらというのが正直な思い。
それが、貯金3というのは素晴らしかった。
「欲を言えば、ソフトバンクには3つ勝てたかもとか、その前の楽天戦も引き分けじゃなく勝てたかもとかあるんだけど」
「それを言いだした他の球団も同じような事あるよね」
「ただ、事実として3つ勝ち越し!」
「素晴らしいです!」
交流戦TOTALでは7勝3敗2分けで、中日と首位タイである。
「交流戦の優勝も狙える位置だけど、そもそも18試合しかないからね、残り6試合でいくらでも変わるわ」
「そうだよね、6連敗したら負け越しだもんね」
「だから、まずは1つ勝って5割以上を確定させる! それからさらに上を目指していくと」
「残り6戦はパリーグのホームでDHもあるもんね」
地の利も、戦術の利も相手にある。
西武、日本ハムとリーグ内では下位に沈んでいるとはいえ、手ごわい相手に変わりはない。
「とはいえ、リーグ下位にいるだけに付け入る隙は当然あるはず!」
「西武さんは打線が恐いけれど、やっぱり投手陣が弱点だよね」
「その点はうちも似たようなもんだけど、まだマシなんじゃない?」
「とにかく先手でいきたいよね」
打線は好調とはいえ、打線は水物ともいう。
相手投手が良ければそう簡単に打てるわけもないので、その中でどれだけ点を取れるか。
「あとはDHを誰にするか、ね」
「楽天戦の時は山下選手をスタメンに入れてきたよね」
「パリーグの球場は広いから、外野に入れたい気はするのよね」
佐野かオースティンをDHに回したい。
オースティンは、ロッテ戦で少し背中か腰を気にしていたのも気になる所。
無理はさせたくない。
「ということで、ロッテ戦で代打HRを打った楠本を、DHなり守備に入れるなり起用したいわね」
「楽しみだよね!」
「細川はねぇ・・・結果が出てないから。それでもどこかでDH起用されるかも、左腕が相手なら」
「少ないチャンスでなんとか結果が欲しいね!」
残り6戦。
戦い方自体は変わりようもないと思うが、さて、どうなるか。
「何せ投手は投げてみなければ分からないのが多く、打線だっていつまでも打ち続けられるわけじゃないからね」
「中継ぎ陣の登板過多もあるし」
「誰かが怪我したら控えとの差は大きいし」
「もう戻ってくるような選手もいないしね。平良投手もTJ手術で今季どころか来季も絶望!」
それでも戦っていくしかない。
「交流戦、結果を残せれば自信になるわ! いくわよ!」
「私達は全力応援で!」