「今年はオールスターが開催されたわね!」
頷きながら結乃が言う。
「無事に開催されたことに感謝です!」
理衣が手を合わせて言う。
2年ぶりのオールスター、まずは開催出来たことが何より。
「そんな中で・・・佐野、なんであんな絶好の場面で! やっぱりチャンスに弱い!」
「それ、言う? 相手だって益田投手なわけだし」
「あそこで打てばMVPだったのにね!」
「まあ、それはねぇ」
同点で迎えた9回表。
1死2,3塁で近本がまさかの申告敬遠で、1死満塁で佐野がが打席に。
「満塁策で佐野で勝負してきたのは、佐野の得点圏での弱さを知ってのことね!」
「単純に近本選手があたっているからじゃない?」
「あと盛り上がりもあるでしょうけど」
「でも、残念!」
7回表が終わって守備から登場した時は、もう打席が回ってこないかと思った。
しかしまさかの絶好のチャンス。
オールスター初打席でMVPも見えたところだったが、そう甘くはなかった。
「ま、仕方ない。あとは三嶋が登板してランナー貯めたけれどゲッツーでなんとか無失点」
「ホッと一安心だったね」
「2戦目は佐野もさすがに2打席くらいはもらえるでしょ」
「あとは山崎投手ね」
「それが心配よね。広報だけやっていればいいんじゃない?」
「さすがにそれは・・・」
リーグ戦が最下位だけに、ここで賞をとるくらい活躍してほしいぞ。